2022.05.04 ビオトープの生き物調査で待望の水生昆虫〇〇を発見!
マコモビオトープの生物調査
4/30に耕作放棄水田を使ったビオトープにマコモとクワイを植えに行きました。
今回は近くにキャンプに来たので、4/30に参加できなかった次男を連れてビオトープの生き物調査に行ってきました。
先日はタモ網がなかったので、今回はタモ網を持参して行きましたが、現地に到着してびっくり。なんと、4/30と比べて水がかなり減っていました。4/30は前日が雨だったので満水だったのでしょうか?水漏れしているのかもしれないですが夏の渇水が心配です。
水のあるところをガサガサしてみると、前回は確認できなかったコシマゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、ヒメガムシ、何種類かのヤゴも確認できました。
前回はアマガエルを確認しましたが、今回はニホンアカガエルも確認できました。逃げられましたがおそらくツチガエルもいた模様です。
前回同様、イモリ、ガムシは何匹も確認しました。ガムシの卵嚢も確認したので、幼虫が生まれるのが楽しみです。
ガムシは愛媛県レッドデータブックでは絶滅危惧2類(VU)です。
ガムシの幼虫はモノアラガイなどの巻き貝を食べるのに特化した習性を持っていますが、未だ巻貝類が確認できないこのビオトープで果たして成長できるのか?気になります。
ガムシは草食性ですが、食欲旺盛で水草が繁茂する場所でしか生息できません。ガムシの生息域も減っているので、ぜひ居着いてほしいものです。
待望のクロゲンゴロウ確認!
ビオトープから1kmほど離れた池に、ガムシとクロゲンゴロウが生息していることを、以前から確認していました。前回の植え付けの時にガムシを確認できたので、クロゲンゴロウも来てほしいなぁと考えていたのですが…なんと今回見つけました!
ガムシと同じ黒色でも、少し小型でスイスイ泳ぐので同定は簡単です。なんとかタモ網ですくって記念撮影!(光に当たるとグリーンがかってとてもキレイです)
愛媛の中〜大型ゲンゴロウ事情
愛媛県はナミゲンゴロウは愛媛県レッドデータブックでは絶滅危惧1類(CR+EN)とされていますが、事実上絶滅扱いとされているそうです。
愛媛県内では、全国的に増えつつあるコガタノゲンゴロウが最大種になります。コガタノゲンゴロウも絶滅危惧1類(CR+EN)で、愛媛県内では特定希少野生動植物に指定されており採集は禁止されています。
クロゲンゴロウはコガタノゲンゴロウよりもやや小さいですが、それでも中型ゲンゴロウとして、他の小型ゲンゴロウと比べて迫力があります。愛媛県レッドデータブック2014では絶滅危惧2類(VU)です。
コガタノゲンゴロウは、平地に生息して高温に適応しているそうです。一方、クロゲンゴロウは山間部の涼しいところに生息しているため高温には弱いようです。
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science213.html
温暖化が続くとクロゲンゴロウが生息可能な場所は徐々に少なくなってくるのかもしれません。このビオトープは標高が300メートル以上あるので、クロゲンゴロウには最適な場所なのかもしれません。
水生カメムシは果たして??
水生カメムシ類は、アメンボ、マツモムシ、ミズカマキリという普通種のみでした。タイコウチ、コオイムシのような愛媛県内で確認できている中型水生カメムシ類は、分布が局所的なので、このビオトープに来るのは難しそうです。
そして日本最大の水生昆虫であるタガメは、愛媛では事実上絶滅扱いです。他県の目撃情報みると羨ましくてなりません。
せめて、子どもたちが大型水生昆虫にいつでも出会えるように、ビオトープを保全していきたいですね。
今回は近くに来たついでの調査で準備が足りていなかったので、次はしっかり調査したいと思います。
皆様のサポートによって、より新たな知識を得て、知識と知識を結びつけ、実践した結果をアウトプットして還元させて頂きます。