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リモートワーク時代の必需品(?) スタンディングデスクを手軽にDIYしてみよう!

リモートワークの最初の壁が運動不足

新型コロナウィルスが流行りだしてから、リモートワーク(テレワーク)を初めた方も多いと思います。自宅で作業環境を整えていなかった方は、慌ててデスクを購入しているかもしれません。

しかしデスクや椅子は案外場所をとりますので、自宅のスペースが足りないと感じる人も多いと思います。

リモートワークのような自宅作業を行うと必ずぶつかる壁があります。それが運動不足や腰痛といった環境不備からくる身体の不調です。

外出が制限される中、屋外でのウォーキングやランニング、自宅での筋トレなどをこなしている方も多いとおもいます。しかしそれで運動は足りますか?

通勤という暗黙的な運動がなくなり、自宅でどのようにすればよいのでし ょうか?

作業机をスタンディングにする

ここで提案したいのが「スタンディングワーク」です。

スンタンディングワークは椅子に座って仕事をするシッティングワークと比べて以下の長所があります。

1) 座り姿勢に比べて消費カロリーが増える
2) 様々な健康リスクを軽減する
3) 椅子がない分占有スペースが少なくてすむ

スタンディングのカロリー消費は馬鹿にならない

JustStand.orgで座りと立ちのカロリー消費が簡単に比較できます。

たとえば体重70kgの人が一日2時間をスタンディングワークをして5日間過ごした時のカロリー消費の違いは...5日間で385kcalの違いになります。

385kcalはおおよそ御飯大盛りまたはどんぶり御飯一杯分のカロリーになります。一週間のスタンディングワークでどんぶり御飯一杯分のカロリーを消費できるというわけ です。これが一ヶ月で4杯、一年だと52杯分の差になります❗️❗️❗️

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座りぱなしは身体によくない

立位は単に消費カロリーだけでなく健康リスクを軽減します。イギリスの研究の結果から1日2時間立って仕事をすると健康リスクが軽減されるという研究結果が発表されています。

具体的な奨励項目は次の通りです。

・ 長時間座ったまま過ごすことが健康に悪影響をもたらすことを意識する。立ち上がってウォーキングなどの運動をする必要性についての認知を拡げる。
・ 長時間の座位が中心の仕事に従事している労働者は、定期的に休憩をとり、ウォーキングなどの運動をするよう奨励する。
・ 座位時間の長い人は、勤務中に立位で過ごす時間を2時間以上設け、軽いウォーキングなどの運動を挟む。デスクベースで仕事をしている人ほど、立位時間を定期的に設けることが必要となる。
・ 可能であれば、立位時間を4時間まで延ばす。オフィス環境を見直して、立位で仕事をできるように変更する。
・ 快適で機能的な労働環境が座位中心であるという、オフィスのデザインに関する現在の動向を見直す必要がある。スタンドデスクを導入しやすくするなど、オフィス環境を変えることが勧められる。
・ 喫煙や飲酒を減らしたり、栄養バランスの良い食事、ストレスの低減など、健康増進につながる生活スタイルを奨励すると同時に、職場や家庭で、じっと座ったまま過ごす時間が長いと潜在的なリスクがもたらされることを広く認知させる。

要するに勤務中は2時間以上(できれば4時間)立位で仕事をし、更に軽い運動を挟むのがよいということです。

椅子は案外場所をとるし面倒だ

机と椅子って普通に使っていますが、案外椅子に座るために周辺にスペースをとっておかないといけないことは気づかれていないかもしれません。

椅子は座っている状態だけでなく、椅子を引いて座る際のスペースも考慮しないといけません。家具に必要なスペースとして椅子は75cmの空間を用意しておかなければならないそうです。

机の奥行が70cmだとすると、椅子を引くスペースを75cmとするなら、両者で145cmの奥行が必要です。スペースに限りがある場所ではなかなか大変です。

また椅子に座るという行動は案外面倒です。実は筆者がスタンディングワークを初めて一番驚いたのは、実は椅子がないことによる開放感、ストレスレスだったのです。

実際にスタンディング環境にしてわかったのは、様々な行動を行う際のステップが簡略化されたことだ。
たとえば椅子に座っている時に、本棚に行って本をとる、あるいはコーヒーを入れに居間に行く、などのデスクワーク以外のアクションをとろうとする時には
椅子から立つ
椅子の横に出る
椅子をしまう(あるいは横にどける)
という3つのアクションが必ず必要だったのだが、スタンディングにしてから不要になった。これは思った以上にストレスレスだった。
(http://giantech.jp/2015/05/26/impression-of-working-at-standing-desk-for-a-half-year/ より)

私のスタンディングワーク歴の変遷

筆者は5年前からスタンディングワーク環境に移行しました。最初は普通のオフィス机の上 に台を載せて高さを合わせることでスタンディング環境にしました。

3年前に自宅近くに事務所を借りたのをきっかけにスタンディングデスクを購入しようと思い様々な選択肢を検討しました。 3年前に調べた段階でも非常に多くの選択肢がありました。 

結局は単管パイプ無垢合板を組合せて身長に合うサイズのスタンディングデスクを自作しました。自分の高さに合わせて作っているのでぴったりですしとても頑丈です。

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自作にすると天板のサイズも自分で変更できるので重宝しています。

昨年事務所を引っ越した際には更に天板の奥行や幅を大きくして(150cm x 80cm)より快適に仕事ができるように改造しました。

今ではPC作業はほぼ100%スタンディング環境で行っています。

スタンディングデスクを導入したいけど...

すでに作業机があれば台を乗せてスタンディング環境にするのが手っ取り早いです。最初のスタンディングデスクは机の上に台を載せて実現しました。

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しかし突然のリモートワーク環境に移行したご家庭では、新しく机を置くスペー スを作るのが難しいかもしれません。電動式の昇降式スタンディングデスクなどもありますが、どれもしっかりとした机でそれなりのスペースが必要になります。

では元々机がない、または机を置くほどの場所の余裕がない場合はどうしたらよいでしょうか?

場所をとらずにスタンディングワーク環境を作るには?

今回、受験生の娘に「スタンディングデスクつくってー」という要望が届きました。そこで娘が事務所に来て勉強するためのスタンディングデスクを作ることにしました。

しっかりした机を購入するのはもったいないし、自分の作業机のスタンディングデスクのように頑丈過ぎるのはやりすぎだし、場所も限られているので場所も取りたくない。

「できるだけ場所もとらずに、簡単に、撤収も簡単にしたい」

という条件を作って検討した結果...

「突っ張り材に棚を作ってそれをスタンディングデスクにする」

というアイデアを試してみました。

DIY好きの味方 ディアウォール

DIY好きに超有名なグッズに「ディアウォール」というものがあります。これは 2x4(ツーバイフォー)材に取り付けて、床から天井に縦に材を突っ張らせて固定する ことで、どこでも柱が作れるという道具です。

このディアウォールを使うと、壁面に柱を作ってそこに棚や机を簡単に作ること ができます。

今回は、このディアウォールで作った柱にロイヤルチャンネルという棚を作る金具を取り付けてスタンディングワーク環境を作ってみます。

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今回使ったのは以下の通りです。

・ロイヤルチャンネルサポート 900mm(シングル) 

・ロイヤル棚柱用ウッドブラケット A-32,33 300mm × 2 

・ロイヤルチャンネルサポート取り付け用のビス
・2x4材 2440mm (2260mmにカット済) × 2
・ディアウォール × 2 

・ウレタン塗装済み棚板(900mm x 350mm x 18mm)

費用はどのくらい?

私はホームセンターで買ったのですが、レシートを一部紛失してしまったので正確な所はわかりません😓 残ったレシートとAmazonでの値段を組合せてざっくり材料費を計算してみました。

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恐らくトータルで一万円はかかっていません。ビス止め用の電動ドライバーは持っている前提なのでお持ちでない方は購入する必要があります。

強度は大丈夫?

棚受け金具で耐久性は大丈夫?と心配になるかもしれません。ロイヤルの公式スペックによると木棚受けの最大荷重は一つで32kgでした(A-32/33の300mm)ので、極端に重いディスプレイなどを置かなければ大丈夫でしょう。少なくともノートPCを置く程度では問題ないと言えます。

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(1) 自分のスタンディングの高さを計測す る

まずは部材を買う前に自分のスタンディングワークで作業する際の適切な高さを計測します。 立った状態でキーボードを打つ姿勢になり、床から肘までの高さを計測します。

またディスプレイとの距離をどの程度にするかによって、天板の奥行も決まってきます。EIZOの疲れ目対策サイトによると

一般的に「ユーザーと画面の距離は40センチ以上、ワイド画面ならば50センチ以上」が好ましいとされる。

とあります。ノートPCなら40cm、ワイドディスプレイなら50cmを目安に設計しましょう。

実際の利用シーンを考えると以下の距離を踏まえて設計する必要があります。

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天板の高さは肘を90°の角度にしてから計測します。より正確に高さを計測するにはノートPCやキーボードの高さも考えます。

今回、娘のポジションを測定するとちょうど100cmの高さでした。この高さに天板が来るように設計します。

(2) 設置する部屋の床~天井までの高さを 計測する

ディアウォールは天井と床に2x4材をつっぱらせて固定し、そこにネジや棚受けを固定し壁に穴を開けられない賃貸ルームでもDIYを楽しむためのグッズです。

今回は、ディアウォールで固定した2x4材に対してロイヤルチャンネルサポート を固定して棚板を取り付けます。部屋の天井の高さは約2300mmでした。

(3) 材料を購入する

先に示した材料を購入します。ディアウォールを使う場合には、あらかじ2x4の木材を指定の高さにカットしておきます。

ディアウォールの公式だと天井までの高さ-45mmでカットすると書いてあり ますが、以下のサイトを参考に40mmでカットしてみました。

今回は天井の高さが2300mmで40mmを引いて2260mmとなりました。 

カットはホームセンターでカットサービスがあれば可能です。ホームセンターに行けない場合は、ネット通販でも指定の長さにカットして配送してくれる店舗もあるのでそちらで指定するとよいでしょう。

(4) 2x4材に目標の高さのマーキングをす る

材料が届いたら早速準備にとりかかります。まずは指定の高さへのマーキングです。ここで注意しないといけないのは、ディアウォールを取り付けた状態で高さのマ ーキングを行うということです。

ディアウォールを2x4材に取り付けると材が若干底上げされます。うちの材ではディ アウォールを取り付けると12mmほど底上げされました。この高さを考慮して目標 の高さのマーキングを行います。

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(5) ロイヤルチャンネルサポート取り付け

買ってきたロイヤルチャンネルサポートを材に取り付けます。棚受け用の穴にウッドブラケットを差し込んで、ちょうと自分のよい高さに穴が来るように配置し ます。ウッドブラケットを取り付けて棚板を実際の高さに合わせて調整してください。

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今回はスタンディングだけでなく、椅子に座った時の高さでも使えるようにするため、ロイヤルチャンネルサポートは座りの高さ(天板が70cm付近)でもブラケットが取り付けられるようにしました。

もし座りが不要であれば材に直接棚受けを取り付けて固定棚としてもよいです。折り畳みの棚受けを使えば更に便利ですね。

(6) 2x4材にディアウォールをつけて取り付ける

ロイヤルチャンネルサポートを取り付けた材を壁に設置します。

ディアウォールの構造は上部のスプリングを使って材を突っ張らせる構造なので下から押し上げるよう に設置します。こちらの設置の仕方がわかりやすいです。

今回設置した部屋は和室なので畳の上にダンボールを引いて跡が付かないようにしました。また天井は板張りですがどうも圧力で少し上がってしまったみたいです。賃貸なので天井を壊さないように注意しないといけません

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(7) 棚板を載せて完成!

今回は350mmの奥行の棚板を使ったのでブラケットの上に直接置いて完成です。固定していないので多少ずれることも考えられますが、よほど机上で動かない限りは大丈夫でしょう。

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今回は椅子利用のために天板の 位置を変更することも考えて、あえて固定しないようにしました。

スタンディング状態だとシンプルに支柱2本と天板1つになります。奥行きが40cmし かない(2x4材+ロイヤルチャンネルサポートの奥行約5cmに天板の奥行35cmを加え た)ため、スペース的にも圧迫感はありません。

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高さを変えれば椅子を使うこともできます。

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(8) 荷重を増やす場合はサポート材を追加

ノートPCとマウス程度の重量ならロイヤルサポートチャンネルのブラケットでも問題ないと思いますが、大きなディスプレイを置いたり、その他の機材を継続的に置くのであれば構造的にしっかりとしたデスクを作る、または購入したほうがよいでしょう。

もしサポート材を追加するのであれば、天板の手前に足を2本追加すれば大丈夫だと思います。(実際には試していないので自己責任でお願いします。)

サポート材


今回作ったスタンディング環境はいざとなったら壁の収納にも変えることができるのと、不要になったらバラすことでかさ張らないので実験しやすいと考えています。

実際の使い心地は?

娘(高3)に聞いてみました。 

私:「どう、スタンディングデスクをつかってみての感想は? 」
娘: 「足が痛くて1時間くらいしか立てない!
私: 「辛くなったら天板を下げて座って勉強していいよ」
娘: 「座りの方が楽だ!
私: 「そりゃ当たり前だよ...」

 ...という感じでした。まぁ最初は仕方ないですね。座りと立ちを交互にやっていって徐々に時間を伸ばしていけば、そのうち適応できる...かな?

スタンディングワークを続けるために便利なあれこれ

更に必要...足が痛くならないためのマット

ずっとスタンディングワークをしていると床が固いと足の裏が痛くなります。こんな場合は、長時間立っていても足が痛みにくいようにクッションとなる敷物を敷くのをおすすめします。

ホームセンターなどでよく売っている安価な「ジョイントマット」を購入して敷いておくとよいでしょう。

ただしあまり厚いマットを置いてしまうと、せっかく調整した天板の高さと合わなくなってしまいますので注意してください❗️❗️❗️

重心を入れ替えよう

立ち姿勢をとる際には、人間かならず左右どちらかに重心が偏りがちです。そうなると左右差がますます際立つので、一定時間毎に左右の重心を入れ替える、ある いは重心を左右均等にして立つこを意識して行いましょう。

適度に休もう

慣れないうちは、娘と同じようにすぐに疲れてしまうかもしれません。その時は無理しないで休む、あるいは座位で作業するようにしましょう。

立ちながら座れるイスを使おう

どうしても立ちっぱなしだと疲れてしまう時は、立ちながら座れる椅子を用意しておくとよいです。キーボードを打つ場合は姿勢よくできるスタンディングが向いていますが、ミーティングやWebブラウジングなどの際に椅子に座りながら行うと多少楽になります。

筆者はIKEAのスタンディングサポートを持っています。

以前はオンラインミーティング時によく使っていましたが、今はほとんど出番がありません...😓

サンワダイレクトのカンターチェアでもよいかもしれません。

スタンディングでより生産的で健康的な仕事環境を!

リモートワークでは運動不足になりがちで、椅子に座り続けると腰痛のリスクが高まります。

是非ともいろいろな形でスタンディングワーク環境を構築して、少しでも健康リスクを下げて生産的で健康的でイキイキと仕事ができる環境を整えていきましょう!💪💪💪

皆様のサポートによって、より新たな知識を得て、知識と知識を結びつけ、実践した結果をアウトプットして還元させて頂きます。