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無頼伝涯を読んで衝撃を受けた

数ヶ月前アニメカイジを全部見たのですが、めちゃくちゃ面白くてあっという間に見終わっちゃいました。
地下チンチロが特に好きです。
同じ福本先生の作品のアカギも、麻雀が全く分からない状態で見ましたが面白かったです。
アカギの生き様、ギャンブル論、痺れるぐらいかっこいい。
独特のセリフの言い回し、繊細な心理描写、どんでん返しは見てる側も驚かされる。

アニメだけじゃ飽き足らず、アニメ化されていない天 天和通りの快男児やカイジ堕天録編、アカギ鷲巣戦の続きなど漫画にまで手を出した。
圧倒的散財…!至福の散財…!

もっとコアな福本作品が知りたいと思い調べると、福本作品にしては珍しいギャンブル描写が一切ない人情物語、当時打ち切りのような形になってしまった漫画、無頼伝涯。
ヒューマンストーリーが好きな私は迷いもなく即購入。
すぐに読みたかったので電子書籍を購入したのですが、表紙がこれ。

今作品の主人公、工藤涯(14)中学三年生の少年。
制服には返り血、手錠、そしてなんと涯少年の全裸……に軍服。
全ての表紙に意味はあるのだが、うーーん、シンプルなのに色々てんこ盛りやなというのが素直な感想。

内容は簡単に説明すると、殺人の冤罪をかけられた工藤涯は矯正施設「人間学園」に収監される。
そこで理不尽な目に合いながら出会った仲間と無実を証明していくという物語。
カイジやアカギのような派手などんでん返しは無いものの、涯の精神的な成長や人間学園の不気味なまでの異様さはそれと同等に読み応えがある。

しかも1巻の第一話の最初がこれだ。

最初の見開きから既に異様でいて衝撃的な始まり方をする。
涯の性格はまるで赤木しげるの少年期を見ているようで、とても鋭利、尖ってるのだ。赤木と違うところは青臭さがあるというところ。あと厨二病くさい。
達観した言葉を使ったりするが、中身は結構少年の青さが残っているのが涯の良さだと思う。

安倍刑事の煙草を吸う工藤涯(14)

未成年の飲酒喫煙は禁止されているので、絶対やめましょう。

この漫画、大人にこそ響くものがあるんじゃないかなあと私は思います。
涯の青く何者にも穢されていない真っ白な正義感は、大人になり社会で揉まれてきた人なら憧れに近いものを感じると思います。
そこで私が一番好きなシーンを紹介します。

涯が泣きながら訴えているシーンに私はすごく胸を打たれました。
この人間学園では様々な犯罪を行なった者が収監されています。その所謂"クズ"にも人生はある。
決して犯罪を肯定するのでは無いですが、他者から見ると無駄に思える時間もその人にとってはかけがえのないものだということ。
少年の純粋さがあるからこそ出た言葉だと思いました。


福本先生特有のセリフの言い回し、仲間と協力し合いながらの脱獄、最後の涯の言葉が諦めていた人達を動かすシーンなど、本当に沢山見所があるので気になった方は是非読んでみてください。
最後に無頼伝涯の中でもかなり有名なシーンを紹介して終わりにしようと思います。汎用性も高いです。

人間学園で酷い仕打ちを受けている涯少年

 




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