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ギャラリー巡り #06 シュウゴアーツ(六本木)

4月に巡ったギャラリーは12か所。
その中で印象に残った展覧会6か所を振り返る最終回。

森村泰昌「楽しい五重人格」

森村泰昌の作品はこれまでも様々な展覧会で見てきたので今回の個展も絶対に見逃せないと思い、足を運んだ。

森村泰昌 ほんきであそぶとせかいはかわる(ミロA)  2020年

ジュアン・ミロ 《絵画(パイプを吸う男)》の中に入り込んでいるような作品。

森村泰昌 ほんきであそぶとせかいはかわる(ミロB)  2020年

重なり方が絶妙で、ミロの作品を体にペイントしている?と思わせるような仕上がりになっている。
元の作品の要素を壊さずにアーティストが入り込むことで、新しい見え方を提示しているように思えた。

フランツ・カフカに扮する作品の数々。

森村泰昌 少年カフカ 2016年
森村泰昌 カフカのいる風景1 2015年 / 2024年
森村泰昌 カフカのいる風景2 2015年 / 2024年

こちらは作品の制作過程を撮影したと思われる一枚。
左に参照元の絵が写っていて、ポーズなどを比較して見ることができてとても興味深い。

森村泰昌 カフカのいる風景4 2015年 / 2024年
森村泰昌 カフカのいる風景5 2015年 / 2024年

ジャック=ルイ・ダヴィッドが描いたナポレオンの肖像画を参照していると思われる作品。

森村泰昌 交響曲絵画「EROICA No.6 」 2023年

大正期から昭和初期にかけて日本画家とし活躍した甲斐荘楠音(かいのしょう ただおと)の《島原の女(京の女)》を参照していると思われる作品。

森村泰昌 甲斐庄幻想 2023年 / 2024年

絵画の中の人物に扮する作品を見ていていつも思うのは、リアルと絵画の融合がすごいということ。
人物の「顔」の造形には森村泰昌「個人」を見て取れる要素があるので、そこに森村泰昌の存在があることは分かるけれど、その存在は絵画と完全に融合している。
参照元の作品に描かれている人物に限りなく同化している実在のアーティストの姿。
作品に向かい合っていると、自分が見ている人物は一体誰なんだろう?という疑問が浮かぶ。その違和感が面白い。

展覧会 Data

森村泰昌 楽しい五重人格
2024年4月19日(金)~6月1日(土)
シュウゴアーツ
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
https://shugoarts.com/news/71005/


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