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掃除って、ゴミの移動じゃない。その場に愛を込めること

「ついでに出してきて」ほいさ、ゴミ袋ぶら下げて、玄関出た。

マンションのゴミステーション。年末ということもあり、ゴミの山だ。いつもの倍はある。見て思った。

「このマンションの住民、ここにあるゴミのために毎朝がんばって仕事行ってるんだなあ。ぼくも含め」

働くって何だろう?

ゴミになる商品を買うため?

80歳までに人間は5トンのうんちをするらしい。では、5トンのうんちのため?

昨日25日が仕事納めの会社も多かったと思う。テレワークだから実感薄かったかもね。では、テレワークで何を毎日やってたかというと、議論だ。

議論の英単語「discussion」は「打楽器(percussion)」や「脳震盪(のうしんとう concussion)」と語源が同じで、「壊す」という意味が含まれている。

何年か前、バブルの頃かなあ、ビジネスの現場で「ディベート」が流行った。ディベート研修なんてものもあったし、ビジネス書でもよく売れてた。ビジネススクールに講座があったりして。

ディベートもディスカッションも似たようなもんだ。要するに、「勝ち負け」「得点・失点を競う」「相手を負かす」。

議論は分析し、参加者が多様な視点を提供するが、解体していく。

解体し、新たな価値を創造しようとしているのかもしれないけれど、なんか、これって、「コロナ前」の気分がする。多様な視点が提供されて賢くなった気がするが、そこで限界、終わりだ。

働くって、何かを生み出すものでありたい。

毎朝、6時半頃かな、通勤途上のビルで、掃除している女性がいる。清掃会社から派遣されているのだろう。ご高齢なのだが、しゃきっとしてる。たぶん、75歳くらいだろう。たまにぼくが遅い時間になると、掃除の跡というか、撒いた水だけが残ってる。残った水が、彼女を思い出させる。これって、仕事だ。掃除って、ゴミの移動じゃない。その場に愛を込めることだ。愛を感じて、ぼくは早朝からポカポカした気分になる。そのビル、自分の会社でも何でもないんだよ。ただの通りすがりなんだけど。

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この道。なんの変哲もない、ビル街の道。そこで愛を感じられる掃除の女性の仕事って、とってもプレシャスだよね。

コロナで、仕事や仕事の生み出す商品、そして働き方がいったん白紙に戻った。各自が見つけていかなきゃならない。オリジナルな働き方が、働く人の数だけ生まれる。とても素敵なことだと思う。

2021年こそが、本当の働き方改革の元年になるんじゃないかな。楽しみー!

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