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はじまり(arrival)

漱石先生はイギリス留学もしている英語堪能の人だけど、さすが「心の達人」は違う。こうおっしゃったそうだ。

「アイ・ラブ・ユーは『月がきれいですね』と訳さなきゃ。日本人には」

ひと雨ごとに暖かくなって、今朝はまさに春の訪れを感じた。Spring has come. ぼくはarrivalという言葉が好きなので、Spring arrivalと言いたい。

Arrivalというのは、空港で見かけるのがなじみ深い。到着。対がDeparture、出発。

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アバ(ABBA)デビューアルバムタイトルが『Arrival』だった。

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映画『メッセージ』原作小説タイトルは「あなたの人生の物語」(Story of Your Life)だけど、映画は『Arrival』。

*映画ネタバレしないので安心して読んでくださいね

映画は、arrivalでストーリーが展開していく。

まず、主人公が大学で教えるために教室に到着するarrivalから始まる。

エイリアンの「殻(shell)」到着のニュース。ここでSFとしてのストーリーのarrival。

大佐が自宅にやってくるarrival。

ヘリコプターが現地へ連れて行くために自宅へ到着するarrival。

主人公たちが現地に到着するarrival。

「殻(shell)」の中へ入るarrival。

エイリアンたちと出会うarrival。

娘が生まれる。これも娘にとってはこの世へのarrival。

エイリアンの文字(これが映画の鍵になる)との出会いarrival。

解読し、新しい時間軸を手に入れるarrival。

時間というものの可逆性(過去→現在→未来という一方通行ではなく、両方向に行ったり来たり)を知る、新しい時間哲学のarrival。

中国の将軍も新しい時間哲学を手に入れ、おそらく世界中の首脳陣も。人類はこれまでの「戦争するか・しないか」という二択ではない新しい外交手段を手に入れる。新しい世界のarrival。

映画の話はここでおしまい。

飛行機が外国の空港に到着した。それは旅のはじまりであり、つまり、ストーリーの始まり。arrivalを漱石先生流に訳すなら、「はじまり」。

Spring arrival、春のはじまり。ワクワクしない?

そして、コロナが一年前、地球にarrival。新しい価値観、新しい世界のはじまりなんだね。

たとえば、エネルギーが新しく発見されたとしよう。これまでの世界であれば「既得権」「覇権」のための国際紛争の火薬庫になりかねないニュースだけど、コロナarrival後は、「ワクワクする宝箱」としてとらえる。

そんな世界になることを、コロナのarrivalは教えてくれているんじゃないかな。

今週末はいよいよMAIDO+の始まり。arrival。楽しみでならない!

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