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2019年産駒 AI馬体診断結果

前回までの記事で、一口クラブ馬を中心に2018年産駒の馬体診断をAIで行った話をした。今回の記事では、これからデビューを迎える2019年産駒(現2歳馬)の馬体診断を行ったのでその結果を紹介する。上の写真はブリーダーズスタリオンステーションで放牧中のグラスワンダー(2014/10/12撮影)。

昨年のAI診断のモデル作成に使用した画像数は、走る馬と走らない馬それぞれ1000弱だったが、今回のモデル作成に使用した画像数はそれぞれ約3000と大幅に増やした。普通に考えると診断の精度向上につながることが期待されるが、こればかりはやってみないと分からない。

対象となる一口クラブについては、がんばってほぼ全て含めることにした。主要クラブのうちラフィアンだけ入っていないのは、募集時の馬体写真が当歳〜1歳になりたての頃と幼く、またクラブ公式ページで1歳夏頃の近況写真も手に入らなかったからという理由による。その他は基本的に1歳夏から秋頃とみられる募集時写真を診断対象としたが、一部ラフィアン同様幼く見える写真をクラブ公式の近況写真で代替したものもある。一部のクラブでは年が明けてから追加募集している馬もあるが、その場合は仕方ないので募集時写真を診断に使用した。2歳になってからの写真で診断しているため、精度が悪くなる可能性もあるかもしれない。

昨年と同じくセレクトセール高額落札馬もセリ上場時写真で診断の対象としたが、今回はセレクションセールの高額落札馬も加えた。さらに、共有馬主の募集写真も診断に使って、社台グループオーナーズとLEX PROの募集馬も対象に含めた。

現3歳馬の診断結果の公表にならい、スコア0.70以上の高評価馬のみを公開する。各クラブ最低1頭は該当馬がいたのでほっとした。
また、自分の愛馬や注目馬が高評価リストから外れていた場合にも診断スコアが見たいという人がいる可能性も考えて、最後に有料記事として全馬のスコアを掲載した。100円の価値があるのか?と自分でも疑問に思うが、有料記事の最低金額なので仕方なく設定した。もっと安い金額にしたかった。

サンデーTC

診断対象85頭中41頭がスコア0.70以上に該当。平均スコア0.59は全クラブで最高となった。
満点評価も10頭いて、POGで注目を集めるであろうアルファヒディ(アルアイン半弟)やコマンドライン(アルジャンナ全弟)も含まれる。上記2頭含め、募集価格1億円以上の高額馬4頭はみんなリストされた。

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シルクHC

対象83頭のうち34頭が該当。平均スコアも0.54とかなり高め。
一方で最高募集価格のディープインパクト産駒2頭(アプリシティー、ローマンネイチャー)がどちらも入っていないという挑戦的な内容となった。満点評価は6頭いて、募集価格の高いものを挙げるとロードカナロア産駒の2頭、デュードメール(ローブティサージュ半妹)とメッセージソングがいる。募集価格1億円のコリエンテスもスコア0.94と高い評価となった。

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キャロットC

対象94頭中34頭が該当。平均スコア0.49。
1億円以上の高額募集馬4頭のうち2頭(キラーアビリティ、ライラスター)が漏れるという結果。満点評価は5頭いて、募集価格の高い馬では父ロードカナロア、母サンビスタのジレトールがいる。また、地方所属となるフィリオデルソルが満点となった。

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社台TC

対象87頭中16頭が該当。平均スコア0.34。
高額募集馬も軒並み高評価リストから漏れるという結果となった。主なところで、ディープインパクト産駒のチェルノボーグやディープグラビティ、ソウルスターリング全妹のスタニングスター、ステイフーリッシュの妹ラリュエルなどが漏れている。一方でスコア0.90以上の高評価馬は比較的募集価格が高くない馬が多いという興味深い結果。満点評価は2頭。

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G1 TC

対象56頭中14頭が該当。平均スコア0.42。
募集価格上位3頭のディープインパクト産駒はみんな漏れるという結果。ただし満点評価の2頭は比較的高額な募集馬から出ている。

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東京TC

対象42頭中8頭が該当。平均スコア0.38。
高額募集馬であるディープインパクト産駒5頭のうち1頭しか該当馬とならなかった。入ったのはルージュカルミアのみ。

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ウインRC

対象30頭中5頭が該当。平均スコア0.38。
一番の高評価馬はストロングリターン産駒のウインオリハルコン。募集価格も決して高いとは言えないが注目したい。

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ユニオンOC

対象43頭中3頭が該当。平均スコア0.24。
抜けた高評価馬であるタイムラプスは、募集時写真ではなく近況の1歳夏の写真を使用したもの。兄や姉が中央未勝利の中、ロードカナロア産駒がどのような活躍ができるか見てみたい。

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ロードTO

対象33頭中6頭が該当。平均スコア0.31。
募集価格3000万円以上の高額馬11頭のうち、リストに入ったのがロードアラビアン1頭のみと、比較的価格の低い馬が評価される結果となった。

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ノルマンディーOC

対象41頭中5頭が該当。平均スコア0.37。
自分の出資馬は下記の該当馬に含まれていない。もう少し自分が作ってるAIを信用したらどうかとも思う。
なお、ノルマンディーの募集馬はセリ市で購入する馬も多く、1歳セリ上場時の写真も評価してみた。結果は有料記事の箇所に載せることにする。同じ馬でも別の写真では評価が全然違ったりするのが分かる。なお下記リストに残った5頭のうちセリ購入馬は4頭。岡田スタッドの生産馬にも頑張ってほしい気持ちはある。

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グリーンF

対象18頭中6頭が該当。平均スコア0.52と高め。
満点評価が2頭出たが、いずれも募集価格が比較的安い馬で、リーチザクラウン産駒のナウヴィクトリア、マジェスティックウォリアー産駒のムーンリットナイトという面白い結果。

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TCライオン

対象25頭中6頭が該当。平均スコア0.40。
募集価格5000万円以上の高額馬は4頭いるが、そのうちリストに入ったのはドレフォン産駒のルミナスフラックスのみ。募集価格1億円のジーショウグンやデアリングタクト全妹のデアリングオウカも漏れた。

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ターファイトC

対象19頭中1頭が該当。平均スコア0.23。
診断スコア0.77とすごく高いわけではないが、クラブ馬の中で最高評価となったのが募集価格800万円のトウケイヘイロー産駒というのは渋い。どのぐらい走るか注目したい。

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広尾TC

対象16頭中1頭が該当。平均スコア0.24。
唯一の該当馬であるキングエルメスは、募集時写真ではなくクラブ公式の近況から1歳夏の写真を使用したもの。ロードカナロア産駒で矢作厩舎と、期待馬の一角と思われる。

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優駿HC

対象11頭中3頭が該当。平均スコア0.39。
募集時写真が当歳から1歳初頭と思われたので、全馬クラブ公式の近況から1歳夏の写真を診断に使用した。

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大樹RC

対象12頭中1頭が該当。平均スコア0.27。
唯一の該当馬は追加募集のため、精度については何とも言えないところ。

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ローレルC

対象11頭中1頭が該当。平均スコア0.31。

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DMMバヌーシー

対象10頭中2頭が該当。平均スコア0.37。
高評価となったセットリストは新種牡馬キタサンブラック産駒で、母は米G1馬という良血。

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YGG OC

対象9頭中2頭が該当。平均スコア0.42。
数少ない対象馬から満点評価が出た。父ドレフォン、母父サクラバクシンオーから短距離特化のイメージだが、決して高額馬とは言えないもののどれだけ走るか注目したい。

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ワラウカド

対象10頭中4頭が該当。平均スコア0.47。
該当の頭数は比較的多めだが、高評価と言えるのは満点を得たチャパティ。未勝利で引退した姉の分まで活躍してほしい(非出資)。
なお自分の出資した馬は、ファベルが辛うじてリストに入ったのみ。昨年参加した募集馬見学会の場で出資申し込みをしたので、AI診断はまるで参考にせず決めたのも一因。まったくもって何のためにこのAI診断をやっているのかという話だが、出資馬の選定には後悔していない。

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京都TC

対象18頭中3頭が該当。平均スコア0.30。
満点評価が1頭出た。シニスターミニスター産駒のフルム。高額募集馬ではないながらどこまで活躍できるか見てみたい。

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社台グループオーナーズ

対象76頭中26頭が該当。平均スコア0.46。満点評価も5頭出ている。

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LEX PRO

対象45頭中3頭が該当。平均スコア0.29。

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2020年セレクトセール1歳

対象馬は落札額4000万円以上(税抜き)とした。対象79頭中30頭が該当。平均スコア0.54。落札額の高い順に並べた。

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2020年セレクションセール1歳

こちらもセレクトセール上場馬と同様、落札額4000万円以上を対象とした。対象13頭中3頭が該当。

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以下、有料記事として対象全馬の診断結果を掲載する。


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