レジリエンスという強さ
▼レジリエンスとは
レジリエンスという言葉はご存知でしょうか。仕事を継続してキャリア形成するためにとても大事なキーワードになります。「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス(全米心理学界)」と定義されている言葉で近年とても重要視されています。「折れない心」と表現されることもありますが、個人的には竹や柳のような「しなやかな心」といった言葉の方がしっくりきています。心が折れないって結構難しいですよね?私実は心が折れやすい方で(笑)でもしなやかな心はもっておりレジリエンスは高い方だと自認しています。今回はこの概念を解説したいです。
ちなみに、有名人でどんな人がレジリエンスが高いと想像できますか??
・スティーブ・ジョブズ(自分で作った会社を追い出され戻って立て直す)
・安倍晋三元総理(一度総理をやって体調不良で辞めてまた総理やる)
・京セラの稲盛和夫さん(KDDIも立ち上げJALの復活を無給でやる)
・USEN宇野康秀社長(インテリジェンス創業し親の会社継いで立て直す)
・パナソニック松下幸之助さん(終戦後財産没収と活動停止処分から復活)
こんな人は強いマイナス局面でもその状況にまっすぐに向き合って、しなやかな心でうけとめて結果を出し、逆境の前以上の結果を出し続けています。身近で「あ、このって人レジリエンスが強そうだなー」って人いませんか?そんな辛い状況でよく耐えてるなとか、何度心折られても毎回変わらずに這い上がってくる、そんな人がレジリエンスが高いとイメージしてください。
▼レジリエンスを鍛える3ステップ
そんなレジリエンスには3ステップがあり、上記の方々はそのステップがスムーズであり、それができる力(レジリエンス力とでもいいましょうか)があると言えます。個人的な意見で言うと、嫌なこと理不尽なことといったマイナスな状況になったときにできるだけ早くそのマイナス感情を認識し、早めに自ら擬似的に折れてみること(最悪な事態を想像すること)それにより「底打ち」に至る時間が極小化されます。下手するとめちゃくちゃ嫌なことがあっても1日でそこまで至ることができ素早く立ち戻れます。それから「立ち直り」に入るためにはマッスル=筋肉が必要でそれを日々鍛えていくことが大事です。筋肉とはすぐに身につくものではなく日々の鍛錬のたまものであり、だらけてしまうと一気に元に戻ります。継続的な運動習慣を!
【具体的な考え方】
STEP1 「底打ち」
失敗したり嫌なことがあるとストレスを感じ精神的にどんどん落ち込んでいきます。それは不安や心配などのネガティブ感情が原因となった悪循環です。まるで渦巻きに巻き込まれて海の底にずるずると落ちていくような憂鬱感やイライラが永遠と続き怒りの感情がいつまでたっても収まらない苦しさを感じます。この連鎖を断ち切らないことには続きの段階に進めません。
STEP2 「立ち直り」
精神的な落ち込みを底打ちすることができたら、次は元の心理状態へ回復することが目的となります。レジリエンスの強い人は、失敗や挑戦を恐れません。うまくいかずにつまずいてもすぐに立ち直ることができ、それに欠かせないのか”レジリエンス・マッスル”です。このレジリエンス・マッスルが普段の生活で鍛えられることによって、ストレスやプレッシャーに対して緩衝力となるだけではなく、逆境を乗り越えて前進する原動力となります。
STEP3 「教訓化」
困難を乗り越えて元の状態に回復したのちに、逆境体験を静かに振り返り、次につながる意味を学ぶ内省の段階です。ここで得られた経験はその後のチャレンジに活かされます。
▼レジリエンスを高める7つの技術
レジリエンスとは元来持っている能力ではなく、仕事やプレイベートを通して後天的に身につけられるスキルであり、上記3ステップを細分化した7つの技術として表現されます。いずれも自らやってみると意外と簡単にできることばかりですのでぜひ試してみてください。
STEP1「底打ち」
・第1の技術:ネガティブ感情の悪循環から脱出する
・第2の技術:役に立たない「思い込み」をてなづける
STTEP2「立ち直り」
・第3の技術:「やればできる」と信じる自己効力感を身につける
・第4の技術:自分を特徴づける「強み」を活用する
・第5の技術:心の支えとなるソーシャル・サポートをもつ
・第6の技術:感謝のポジティブ感情を豊かにする
STEP3「教訓化」
・第7の技術:痛い体験から意味を学ぶ
▼(Pick UP)第4の技術:自分を特徴づける「強み」を活用する
自分の強みをきちんと理解していますか?それを日々活用して仕事ができていますか?毎日それを成長させられていますか?レジリエンスが強いと言われている人はこの強みを理解し活用し成長し続けていると言われています。まずは自分の強みを正しく理解してみてはいかがでしょうか。強みの把握は「ストレングスファインダー」がメジャーなツールです。数年前にめっちゃ流行ったので興味がある人は本を買って見てテストをうけてみてください。
▽レジリエンスが強い人の3つの共通点
「自己認識力が高い」
「どん底を経験していた」
「ピープルファースト」
▽レジリエンス・リーダーの持つ5つの強み
①肝の据わった「楽観力」
②持続可能な熱意
③聖人君子でない「利他性」
④根拠ある自信
⑤意思の力が支える「勇気」
何があっても将来はうまくいくと考えるポジティブシンキング(将来について都合よく想像し、悪いことが起きるリスクを現実より低く見積もる「非現実的楽観主義」)とは違う考え方であり、「地に足がついた楽観力」で世の中のすべてのことが自分の思い通りにいくとは考えず、仕事をしていれば失敗もあるし困難なここと苦境や逆境もあると現実的に考えます。ピーター・ドラッカーの名言で「何かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない」というものがありその通りだと思います。ぜひレジリエンスの考え方を自分のものとして、つらい現実を直視し、明るい未来を自らの力で想像していきましょう。後天的に身につくスキルなので必ず皆さんも見つけることできます!
▼参考文献
・世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方
・リーダーのための「レジリエンス」入門
・ヘコんでも折れない レジリエンス思考
・レジリエンス (ハーバード・ビジネス・レビュー EIシリーズ)
・レジリエンスとは何か
・さあ、才能(じぶん)に目覚めよう ストレングス・ファインダー2