プロジェクトを成功に導くコミュニケーションチャネル活用法
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さて何を書こうかなと。Asana Intelligenceの活用にしようか、今年から運営に参加したAsana企業ユーザー会PLANETSを振り返るか、はたまた試行錯誤のAsanaを活用した目標管理についてにしようか迷いましたが、PLANETS秋会というイベントのライトニングトークでお話ししたテーマはAsanaに限定しない内容にしてましたし、改めて何を話したか振り返るのもいいなと思い、短縮版で記しておくことにしました。
プロジェクトを成功に導くコミュニケーションチャネル活用法
生成AI活用の第2ラウンド
「生成AIの活用は今、第1ラウンドの真っただ中にある。ものすごく期待しているのは、この先にやってくる第2ラウンド」「第1ラウンドは、個人の生産性向上やAIに関するリテラシーを組織力として高めるフェーズ。第2ラウンドは、音声や文書、マニュアル、FAQを含む非正規化データと、基幹系システムなどに蓄積された正規化データを生成AIを介して統合して活用するフェーズ。第2ラウンドに入れば情報システムで支援できる業務の領域を格段に広げられる」
このコメントは、ITイノベーターズ会議2024でのフジテック友岡CIOの発言です。またパナソニック玉置CIOは第2ラウンドに進むと生産性向上の目標は300%を掲げたいと発言されています。スゴイですね。ただ決して大げさな話しではないと思っています。
私たちも第2ラウンド、RAGの技術を使用した生成AIのサービスを10月より社内で運用開始しました。規定などの文書をPDFとかそのままの状態でAIに読み込ませて学習してくれますし、社内のルールやナレッジを会得したAIに質問をすると数秒で回答と引用先の文書のリンクを提示してくれます。これが実現したことで、技術伝承や問合せ回答の無人化をするのにプログラムなどの専門的な知識の取得や想定問答など膨大なシナリオ準備の労力が不要となりまして、学習スピードが飛躍的に上がりました。
では、Asanaはどのように第2ラウンドで進化するのかな、と勝手に妄想してみました。例えばプロジェクトを作成するときにプロジェクトのメンバーや期間さえ設定すれば各タスクの担当や期日を自動で設定してくれたり、過去の成果物をもとに各タスクで行う意思決定や成果物が自動でできてしまうのではないか、とイメージしました。例えばPLANETSのイベントを開催しようと「Asanaプロジェクトを作成開始!」したら、タスクの割り振りや進行スライドの生成などが自動でできてしまい、イベント開催まで運営メンバーは暇になる、という生産性向上が図れるのではないかと思うんです。
これが当たり前のように実現した際には、何でも自動化は味気ないと考えて仕事のための仕事を増やす勢力との飽くなき戦いが始まりそうです(笑)
コミュニケーションはコストでリソース
ここから本題に入っていきます。ではコミュニケーションって何?って考えてみると、コミュニケーションはコストをかけずに効率よく行うことを考える「コストの側面」と同時に、生成AIの第2ラウンドを考えてコミュニケーションをリソースとして活用できるようにする「リソースの側面」をふまえて、今からコミュニケーションチャネルをデザインしておくことが重要になってくるのではないかと思っています。
コミュニケーションの一括管理
コミュニケーションのデザインで考慮が必要な点は、コミュニケーションの一括管理です。コストの側面では、複数のチャネルを使用せずに一つに寄せることで切り替えの手間や確認の漏れを減らすことです。リソースの側面では、コミュニケーション情報をデータとして一つに集約させて生成AIの学習データとして扱いやすくしておくことです。
現時点では、電話やメールはコスト面・リソース面ともに扱いにくいので使用を避けるのがよいと思ってます。私は例えばAsanaから届くメールは一切見てませんし、電話も(売り込み営業か多いこともありますが)基本取らないし掛けないようにしています。何に寄せるかというとSlackやAsanaやGoogleフォームに寄せるようにしています。Slackって他のサービスと連携がしやすいので、GoogleドキュメントやスプレッドシートのコメントやAsanaのコメントはSlackを使って対話やリアクションをしています。
コミュニケーションの一括管理(会議)
会議についても考える必要があります。コストの面では、会議時間そのものを削減しないことには解決しません。私たちは「Asanaを入れて会議時間を縮めた」のではなく、「先に強制的に会議時間を1/3~1/4に縮め」ました。これでプロジェクトの進捗報告や確認はAsanaに寄せて行い、本部内の会議の場を相談や意思決定に注力させました。これでAsana運用前と比べて会議を年間3,200時間削減できました。また全社向けに情報共有する取り組みとしてAsanaを使用していない方々でも私たちの取り組みの進捗や成果状況をPCやスマホから参照できるように、ポートフォリオデータをGoogleAppSheetでグラフや表形式にして可視化しています。
リソースの面では、WEB会議の録画から文字に変換してデータで扱うテストを開始しました。生成AIを使えば要約や決定事項を数秒でまとめてくれますし、プロンプト次第で各発言テキストに発言者名やタイムスタンプも記載してくれます。
またAsana Intelligenceの利用を開始しました。スマートサマリーを活用してAsanaタスクの説明欄に記載した議事録から宿題をタスクとして自動作成したり、スマートステータスを活用してプロジェクトの週報の下書きを自動作成する試みを始めたところです(スマートステータスについてはあまり紹介情報がないのでnoteに記事化したいなと思います)。いずれ週報や月報作成はスマートステータスで完成までできるようにしたいなと思っています。
同期型コミュニケーションも大切
ここまでの話しの流れから、対面型や同期型のコミュニケーションは不要なのか?山本はやってないのか?と思われたかもしれませんが、対面型のコミュニケーションこそ大切にしたいと思っています。メンバーや上司との1on1ミーティングは毎週行ってましていつでも相談できるように心がけているのと、1on1のメンター同士で情報交換兼学習の機会を月1回設けるなど、縦串・横串のコミュニケーションをとることで職場やメンバーの困り事をつかみ、解決が進められるように意識しています。
また新たな試みとして今年、社内コミュニティを立上げました。社員同士が教えあい学びあいができる場を設けて、学習機会を増やしたり励ましあってスキルアップのモチベーションを保てるような場に育っていってほしいなと思っています。まだまだ小さな活動ですが、運営の若いメンバーたちが楽しんで活動してくれているので、とても頼もしいです。
おわりに
PLANETSではこのようなお話しをしました。あらためて読み返してみると、合理性の塊のようなお話しに伝わってしまったかもしれませんね(反省)。
お伝えしたかったメッセージは、コミュニケーションをデザインする際には、コストの側面とリソースの側面とその両側面では測れない価値とで仕分け、人が文字起こしや報告や回答に時間を溶かさなくてよいようにヤリトリをデータで一元的に扱いナレッジとして再生できるチャネルに寄せて自動化やAIに頼っていく、浮いた時間をホスピタリティやクリエイティビティといった人間らしい活動に充てて豊かな働き方や社会貢献に活かしていきたい、という想いです。
まだまだ道半ばですので、この記事を2~3年後に読み返してみるのが楽しみです。明るく楽しく働き甲斐のある素敵な社会にしていきたいですし、そうなっていますように。