作った戦術をどう進めるか
戦術が整理されたら、これを実際に進めていきます。
実際に戦術を進める上で重要なポイントが、PDCAで進める計画性を持った行動です。
これは他の行動にも問題解決にも使える手法です。
また行動を起こせば様々な課題が噴出します。
課題解決には緊急度、重要度、難易度といった課題種別の方法と
解決行動を裏付けるヒト、モノ、カネの切り口が必要です。
行動に行き詰った時、思い出して頂きたいのは本来の目的です。
戦術の実行は、目的ではなく収益拡大の手段です。
作った戦術の実行策とその時噴出する問題点の対応策を考えます。
いち早く目標を達成するためのフレームワークとして、「PDCAサイクル」があります。
● PDCAサイクルのポイント
・ 数字の入った目標を設定する
・ 目的は複数設定しない
・ 使用するファイルは加筆修正できるようにする
・ 課題分析の方法と解決課題の選択方法を事前に準備しておく
「PDCAサイクル」を使って戦術を実行するときに、実行の記録を残しておいて下さい。
まずP(Plan=計画)から始めます。
Pは目的、目標、達成後の姿などの「要件定義」と具体的行動、役割分担、スケジュールなどの「実行計画」で構成されます。
計画を立てたら、D(実行)に入ります。
実行したら、毎週、毎月など進捗状況をCで評価し、計画どおりにいっていない場合は、A(是正)をします。
この時要注意なのがP(計画)の段階です。
数字の入った目標がなく曖昧なままD(実行)しても、実行段階で試行錯誤が増えるばかりで成果に繋がりません。
また目標はC(評価)の基準にもなります。
おそらく計画通りにはいかないでしょう。
ここで重要なのが、課題は必ず噴出すると事前に考えておくことです。
そして出てきた課題をどのように料理するかあらかじめ課題分析の方法と
解決課題の選択方法を事前に準備しておくことです。
D(実行)の段階で出てきた課題を、「重要度」「緊急度」「難易度」といった切り口で分析します。
「重要度」は、自店(自社)にとってコンセプトに触れる部分です。
「緊急度」は、文字通り何から実行すべきか決める要素です。
ここで必要とされるのが、「難易度」というモノサシです。
通常「重要度」「緊急度」の高い問題から処理していきます。
しかしなかなかうまくいきません。原因として取り組む課題の「難易度」が高いことが挙げられます。人材が不足している、資金がない、設備がないなど改善行動の阻害要因は多くあります。またヒト、カネ、モノの問題はすぐに解決できるものでもありません。
よってまず「難易度」の低い課題から取り組んで下さい。
具体的には、費用のあまりかからないことや短期間で解決できる課題から取り組んで下さい。改善して一週間程で成果の出る行動から取り組めばその後のモチベーションアップにも繋がります。
ここでもう一つ大切なことがあります。
課題を分析する上でどんどん課題レベルを上げないことです。
ある課題を解決するためにその原因を追求すると課題レベルが
どんどん上昇します。
例えば、こんな事例がありました。
ある焼肉店で、「固定客増加」というテーマに向けて行動を起こしました。
しかし、この焼肉店では「固定客ファイル」への行動記録がなかなか集まり
ませんでした。原因を追究した結果、「スタッフの意識が低い」という結論がでました。
しかし「意識が低い」「やる気がない」というヒトの課題は簡単に解決することはできません。まずは、「記録を書く時間を作る」「簡単に書けるようにファイルを改善する」といった難易度の低いことから取り組んでいくべきではないでしょうか。
「スタッフの意識が低い」という難易度の高い課題はそもそも組織の風土に関わる問題です。難易度の低い課題を一つ一つ解決し、それを積み上げていくことで解決したいものです。
「何をやるかは戦略で決まり、どの様にやるかは戦術で決まる。
そしてどこまでやるかは風土で決まる」
このことを頭において課題解決に取り組んで下さい。
● 課題解決のポイント
・ 課題を「重要度」「緊急度」「難易度」といった切り口で整理する
・ 解決課題の順位を決める
・ 「組織風土」に関わるような重要課題はすぐに取り組まない
「私の顧客としての経験シートNO.1」と「私の顧客としての経験シートNO.2」で集めた顧客体験を「戦術(行動)の整理シート」で整理してください。そして具体的事実、原因、理由をもとに、残したキーワードを参考に戦術(具体的実行策)を作ってください。
作成された戦術、または第1章で作成した「顧客を主語にした問題解決策」や「ベストプラクティスの要因分析」のポイントを使った実行策を行う時、「戦術(行動)の実行シート」を使って下さい。「PDCAサイクル」を使って実行の記録を残しておいて下さい。
以上でガイドブックを使った演習は終了です。
演習は繰り返し行うことをお勧めします。
気づきの精度も上がり、使える戦術も多くなります。
このガイドブックを単なる学習に終わらせないで下さい。
そのためには、作った戦術が不完全でも実行に移して下さい。
そうすれば必ず仕事が変わります。
ぜひこのガイドブックを売上アップにお役立てください。
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