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今春の旅行についての覚書(3)

春の島流し3-4日目 淡路島

島ですが鳴門大橋と明石海峡大橋で本土と結ばれてるのでここは流されてません 明石から船で行こうかと思ってたけど、全然普通に悪天候だったので辞めました

あと淡路島の旅行4日目が個人的に精神疲労のピークでめっちゃ壊れてた 長期旅行ってゴミ、向いてないと悟った後になってわかったことですがこれは単純に折り返し地点だったからですね、もう半分過ぎたけど、先がある感じにだいぶやられてたと思います。というか私は本来自宅が大好きなので。こんな旅をやらかしてるのは大学の同期内2名の旅好きに明らかな影響を受けているからです。旅の先輩に弱音を吐いたら「旅先だからって頑張らずに寝坊したり昼寝するといいよ」とありがたいお言葉を頂き、この翌日に友人の家で爆睡をかまします。

さて淡路島。行こうと思ったきっかけは私の推しが滞在した場所だからです。鳥取は先述の先輩が行きたいと行っていたので、誘ったんですが。これは自発で、ついでに大阪の友人を引連れていきました。良かったのは……というか、唯一観光らしいそれができたのは渦潮の観測。
島流し含め海側在住でないにしてはまあまあ海を見てる人間だと思っているんですが、海流混ざってる海、めちゃくちゃ変な流れしてておもしろかったです。写真とかじゃ上手く撮れないけどちゃんと渦巻いて吸い込まれていってて、ここらへんの海に放り出されたらどういう溺れ方するんだろ、ほかより苦しみそうだなとか考えました。見てる分には綺麗というか、愉快です。大阪に住んでるうちは近い場所だったろうに、ちっとも行かなかったな。そもそも自発的に旅行なんて行くタイプではなかったし。大学に入った数年で変わったのだな、自分という人間の性質が。違うか、周りに置いている人間が、それ迄付き合って来た人と違ったのか、それが好きで、自ら影響をふんだんに受けて、少し真似ぶようなことをしてもがいているのか。

最も愉快だったことは、深夜、おかしくなった私がGoogleで見つけた温泉、ホテルから徒歩30分、に、その友人を引き連れて足を進めたこと。私は学びました。見知った街、バイトの帰り道30分と、知らない島の徒歩30分は、全くの別物です。街灯ゼロ、本物の暗闇を久々に見た。後ろも前も分からなくなる。海の音だけが聞こえて、空の星だけが美しい。恐怖で私がおかしくなってきて、「なんで私はこんなとこにいるんだ」と半べそかいてたら、「お前はこういう経験を得るのが好きなんだろう」と言われ、「なんで着いてきてくれるの」と言ったら、「おもろそうだから」と随分冷静に返されて、よくよく聞いてみたら、両親がキャンプ好きで年に何回も家族で山奥に籠るらしい。慣れていらっしゃった、きみを誘ってよかったな、そんなことしてるなんて15年間一緒にいて知らなかったよ。私に家族の話をするのを避けていたらしい、でももう大丈夫なんだねと言われた時に、なにかの呪いが解けた気がする。暗闇をくぐるうちに温泉特有の匂いと靄が出てきて、最後に橙色のライトが星空をかき消したときの安心感を多分これから大事に心において置くと思う。

蛇足的にはなるのだが、その温泉施設が、本当に馬鹿で、いや、ふつうに、温泉自体はいいんだけど、なぜか「温泉滑り台」というものを掲げており、露天風呂の中にプール宜しくそれなりにスピードの出る温泉ウォータースライダーがあり、専用のソリまで備え付けてあった。こんなことをここに記していいのか微妙だが、成人女性たちが素っ裸で夜空の下、ソリを臀に敷いて滑り落ちていくのを見た時はここがなにか……なんか 死後の世界か何かですか?と思った。友人がこれを死ぬほどお気に召しており、あんな暗闇を行って帰ってきたのに今でも「また行こうよ、あの温泉の滑り台をもう一度したい」と連絡してくる。いや、確かに、私も、楽しくて5回くらい滑りました。はい。もし良かったら行ってみてください。ちなみに車があれば気軽に行けます。山道歩いたのは僕も彼女も馬鹿だったからです。

この日はまあまあ上手くいかなくて、翌朝2人で淡路島サイクリングしようと思ってもレンタサイクルはもうみんな借りられてて、留まって散歩するにはまだ冷たすぎる風が吹いていて。じゃあもう大阪に戻ってしまおうとそのあと肉まん食いに行こうとして営業してなくて、割と酷い終わり方でしたが懲りずに付き合ってくれました。
同じ最寄りに住んでいたはずの彼女と大阪駅で別れた時に、ここにお家がないことを実感して、その晩泊めてもらう友人宅の最寄りで降りてミスドのカフェオレオカワリおばけになってたときが最高に虚無でした。

これを書きとめた日、そのリアルタイムではついに旅を終えようとしていて、帰りの夜行バスの中。1週間、長かった。多分2度はこんなことしないと思う。たぶん。自己陶酔極まりないこんな文章を垂れ流していると、翌朝の自分がおそらく苦しむんですが、数年後の私は楽しく読むので、置いています。あとはまあ例えば、夜行バスで死んだとしても、ちょっとだけ私に関する残る物がふえるだとかそのへん。何もしてない自分のことを、まるで何かをやり遂げたような言葉を無為に並べて、少し私を肯定する。

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