私は私のしあわせがあればいい

あの男が結婚したと聞いて、やっぱりすこし動揺していたような気がする。

私は私のしあわせがあればいい。

この歌みたいな恋愛をしたところで、
気軽な相手に会いたくなるのがオチ。

揺らぐ必要などぜんぜんないのに。

元カレと付き合っていたころ、
電話も、会って話すのも、めちゃくちゃ話しにくくて、ぜんぜん私らしくいられなくて、正直しんどいときがあった。

思い返しても、
あれはたしかに私の一部だったし、けっして繕ってばかりいたわけではないけど、私の素をほとんど出せなくて、
なんだかおかしな状況になっていた気がする。

ときときA氏と電話で話すと、私は内心ホッとした。
なんて話しやすいんだ!と。

A氏とは恋愛ではないのに、この友情と絆はなんだろう。と考えたことがある。

谷川俊太郎さんの作品に、
「あなたはそこに」という詩がある。

"ほんとうに出会った者に別れはこない”

もしかしたらこういう関係に近いなと。
ときどき思っている。

この詩では、「早すぎたあなたの死」
と書かれている。

A氏がもし、私よりも早くあの世にいってしまったら

神様は、私からすべてを奪ったと、
きっと最初は思うだろう。

そして、すべての人はなにも持たずに死ぬのだと、
A氏とときどき語り合った日々を思い出して

やがて無言で、淡々と、毅然と、
日々をやり過ごすだろう。

今日も命をありがとうございます。

合掌




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