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「多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない(カエサル)」からユーザーニーズとは?を考える。後編

前編の続きです

前回、古代ローマの英雄「ユリウス・カエサル」の言葉

「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 」

ユリウス・カエサル

を紹介したところで終わってしまいました。ごめんなさい。
SNS上ではサムネール詐欺とか、大事な話に行きつかなかった・・・と言われました。重ねてごめんなさい。
(少しボリューム多めで書きます)

さてさて、このカエサルの言葉。
ラテン語で、以下のように表現されているそうです。

libenter homines id quod volunt credunt

カエサル『ガリア戦記』第3巻18

「人は好んで己が欲するものを信じる」と直訳されるようです。

人間は見たいと欲するものしか見ないをAIに書かせてみました

これは心理学の世界での「認知バイアス」という用語でも言い換えることが出来ますが、要するに、
「人間って自分に都合の良いことしか、見ようとしない、受け入れない。」ということですね。

これは誰にも身に覚えがありますよね。

もうちょっと解説をすると、人々が自分たちの期待や願望に合致する情報や現実のみを選択的に認識し、それ以外の可能性や視点を見過ごしがちであることを示しています。

例えばビジネスにおいて、このバイアスは顧客が製品やサービスに対して持つ期待や前提に深く関わっています。

よく「顧客は何を求めているのか聞いてこい!」「ユーザーニーズをアンケート等で調査しろ!」という話がありますよね。
正しいですよ。正しいんです。
しかしながら忘れがちなのは、顧客やユーザーが実際には「自分が(実は本当に)見たいものを、(現時点では)見たいと思っていない可能性」があるという点です。
つまり、誰もが自分の真のニーズや欲求を完全には認識していないということです。

例えばテレビ放送や動画配信に取り組んでいた立場から、この世界の進化の話をしてみましょう。

ソファーでくつろぎながらテレビを見る女性(AIで描きました)
テレビ見てるか?これw

例えば数十年前くらいからテレビ放送に対して(番組の内容以外で)多くの人が不満に思っていたこと・・・

  • 番組の放送時間に見ないといけない

  • 自宅に帰って見ないといけない

  • テレビデバイスで見なければならない

  • 自分の自由な時間に見たい番組が放送されていない

こんな議論は20年くらい、いや録画機が出回ったくらいからありましたよね。

これってユーザーから見たらどういう声でしょうか。

  • いつでも好きな時間に見たいユーザーニーズ

  • 場所を選ばずどこでも見られるユーザーニーズ

  • 好きなデバイスで自由に見られるユーザーニーズ

当時もこれらはユーザーニーズとして語られていました。
全く間違っていません。正しいです。

誰もが思っているユーザーニーズに対して、テレビ局もさまざまな企業も頑張ってきて実現させましたよね。

ただ、こういう経験はありませんか?

  • いつでも見られるから、今見なくていいか?

  • 今しか見られないなら、今見るか!

いつでも見られるなら、今見ない。という現象はどんなサービスでも言えることです。

例えば、「今しか見られない。でも今だから面白い!みんなで楽しむ一体感!」というサービスはそのサービスに接する前には見えてこないユーザーニーズかもしれません。
それがユーザーにとって満足感が高ければ、それは事前にはわからなかったニーズとも言えます。

FOMO(フォーモ)という言葉があります。
FOMAじゃないです(死語w)
「Fear Of Missing Out」の略で、“取り残されてしまうことへの不安”の意味ですね。

例えば一発モノのライブ配信。

事業者は欲張って「見逃してもアーカイブ配信しますから安心してください!」というユーザーニーズに応えようとしますよね。
気持ちはわかります・・・

でもそのライブ配信の瞬間の盛り上がりやインタラクティブな楽しさを最大化するには、アーカイブ配信なんかやっちゃダメです。(勇気が必要です)

だからこそ、その瞬間に最高の体験を提供できるということもあります。

「不安」というのは、裏返せば取り残されなかった場合は「満足」につながります。
それがそのユーザーにとって幸せなサービスやコンテンツを提供できているということかもしれません。

古代ローマの英雄「ユリウス・カエサル」の言葉

「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 」

ユリウス・カエサル

は深いですよね。この話こんなもんじゃないです。
まだまだ続きます。でも一旦ここで区切りますね。

ソファーでくつろぎながらライブ配信を見ている女性(AIで描きました)
スマートフォンを横向きにと何度指示しても縦にしか持たない・・・

あーそうそう。
皆さんネット上の情報の偏りを、フィルターバブルとかエコーチェンバーと呼んで、アルゴリズムとか誰かのせいにしていますよね!
ま、それはその通りでアルゴリズムのせいなんですが、
忘れていませんか?実は人間自身、あなた自身がその傾向があるんですよね。
人間の認識の限界とバイアス、そして我々がどのように現実を捉えるかについて深く考えさせられますね。

ユーザーニーズにひたすら応えることが正解なのか?

ユーザーが本当に求めているものはユーザー調査では出てこないのではないか?

マーケットインとプロダクトアウトについてどう考えていくのか・・・?

一旦この「多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」の話はここまでとして、今後は、ぼちぼちこのnoteで、ここから考えていくべきコンテンツやメディア、サービスなどについて、いろいろ書いていきます。
(関係ない話も書きますけどね)

※おまけ:AIに欠かせた画像のボツ写真集↓

マイクもスピーカーもインターネットもスマホも、SNSも無い時代に、広大なローマを治めていくことは大変だったろう・・・


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