一年半の断酒に学んだ継続のコツは、期間を定め、例外をつくらぬこと
「宗教上の理由ですか?」
断酒をしていると、たまにこのような冗談を言われます。実際、ラマダンの時期にイラク人の同僚らとともに断酒断食に挑戦したことはありますが、今回はイラクとは何も関係なく、また医者に止められているわけでも、深酒で何かやらかしたわけでもありません。
DCに来る直前のベトナムと日本での1ヶ月間は文字通り毎晩誰かしらと飲んでおりました。それはそれで有意義なのですが、一度飲みに行くとそのまま二次会、三次会…と気づけば4,5時間を平気で使い、また、飲んだあとは仕事や勉強も出来なくなるので、生産性が非常に落ちてしまうと感じていました。
ましてやそのまま米国に来くると「ネットワーキング」という名のもと、また飲酒の日々が続くのではないかと思い、また当時は奨学金が決まっていなかったこともあって、時間とお金の節約のために留学中はお酒を絶ってみることにしたのでした。
お酒を飲まないからといって人と会う機会が減るということはなく、ランチやコーヒーを積極的に活用しています。
お酒が入らなければ一時間半くらいで自然と解散しますし、初めから時間の有限性を意識していれば話したいことを一通り話せて無用な長居を避けられます。ありがたいお話を翌日にはもう忘れているということもありません。
お酒は社会の潤滑油と言いますが、アルコールに頼らなくとも懇親を深められることはイラク人から学びました。ストレスはお酒でなくジムで発散した方がよほど健康的です。
断酒を一年半続けてみて、継続のこつは、例外を作らないことと、期間を限定することと学びました。「今日くらいは…」と悪魔のような友達の誘いに乗って一つ例外を作ると二つ目、三つ目もすぐにやってくるのは明白です。これと矛盾するようですが、ゴールの見えないマラソンは辛いので、予め期間を限定することは有効かと思います。
よかったら皆さんも挑戦してみください。
真鍋希代嗣(ジョンズホプキンス大学/ワシントンDC)
※この文章はワシントンDC開発フォーラムに2018年2月に寄稿したエッセイ
「断酒」を転記したものです
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