果敢なハリネズミ、そしてサポート
タイトルを見て読みに来てくれた貴方は、
大のハリネズミ好き?それともカスタマーサポート?
兎にも角にもここへ来てくれたことに、心からの感謝を贈ります。
freeeでカスタマーサポートをしているkiyoto(読み方はキヨトウ)です。
freee Success Advent Calendar 2022 も早いもので21日目。サポートチームからは今年最後の登場です。
これからのサポートの話をしよう
freeeでは、サクセスチームの中にカスタマーサポートを位置づけています。CSのバイブル的書籍「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」の中でも、「カスタマーサクセス(=顧客の成功)」は、サクセス担当者だけでなく、サポートや開発含めて各部門の全員が持つべきマインドであると書かれています。お客様を成功に導くための手段は各部門が持っているはず。
今日は、カスタマーサクセスとしてのサポートについてのお話です。
器用貧乏とハリネズミ
さて突然ですが、私は昔から器用貧乏で、良く言えばゼネラリストタイプ。
学生時代は、体育会バスケ部、スタバでアルバイト、一応本業は勉強
現在は、freeeのジャーマネとプレイヤー、ささやかですが生け花講師の活動
freeeでの5年間の間にも、サポート部門内ですが色んなチームを一通り網羅している「なんでも屋」です。性格的にも、いつも掛け持ちしがちになってしまい、何か一つに絞ることが出来ないタチです。
そんな私が憧れてやまないのが、対極にいる「職人」や「専門家」的な人々。彼/彼女達に出会うとワクワクしてまう、そんな存在です。
哲学者アイザイア・バーリンの著書「ハリネズミと狐」に、古代ギリシアの詩人アルキロコスの詩作の断片を引用した一節があります。
同書は、トルストイなど様々な偉人を2つのタイプに分けるというアプローチで、引用元の詩やこの本自体についてもこれまで様々な解釈がされています。ここでは本書自体を論じたい訳ではなく、あくまで「ハリネズミ」達について深堀りする為に、わかりやすく理解する例として出させていいただきました。
素晴らしきエキスパート
また場面が変わって、私がビジネスパーソンとしてキャリアを歩みはじめて最初の頃、印象に残っている上司の言葉があります。
アマチュアとの対比がプロフェッショナル。会社勤めであっても、お金をもらっている以上その道のプロを目指すべきだ、ということです。当時金融にいた私はお金のプロになるべきだったのだと思いますが、しっくり来ずにfreeeに転職。とにかくfreeeという製品を知りたかったのでサポートチャットオペレーターを始めました。
そこで出会ったのが様々なカスタマーサポートのエキスパート達です。
漠然としたコールセンターのイメージしか持っていなかった私は、驚きとリスペクトとともにサポートの魅力と奥深さに魅了されていったのです。
サポートのオペレーターは毎日お客様と向き合う仕事です。freeeでは3‐5年でいわゆるSVレベル(スーパーバイザー、管理監督者)に到達しますが、業界的には10年、20年選手も少なくありません。
例えばクレーム対応。それはそれは魔法のように、お客様のお話を本当に真摯に聞き、向き合い、しまいには心を溶かし、ファンにしてしまう。
例えばプロダクト愛。新しいリリースがあればデモ環境を使い倒し、仕様を理解し周囲に伝えたり開発チームにFBしたり。プロダクトの話をするときはとても楽しそう。
そんな素晴らしきエキスパート達がここにはいます。
※ちなみにエキスパートとプロフェッショナルの違いを分かりやすくまとめている記事がありましたので載せておきます。経験の差と職業にするかどうかが違いといえそうです。
ハリネズミがトガる人事制度を作ろう
freeeはまだまだイノベーションを求められており、少し前に話題になった「両利きの経営(チャールズ・A・オライリー)」で提唱される「深化と探索」の両立が必要です。とてもありがたいことに、ここ数年のfreeeはユーザー数の増加が著しく、サポートチームも問合せにきたお客様に応えるだけで精一杯の毎日でした。効率化を考えつつ、探索を期待される。けれど、お客様に向き合う私達がやりたいことは他にもありました。
新人オペレーターにもっと手厚く研修をしたい、わかりにくいナレッジを整理したい、もっとお客様が困っている製品課題を改善したい・・・
目の前の課題を解決する時間があれば、もっと良くできるのに!と思いながらそこに手をつけることが出来ず、モヤモヤは募りました。
そんな時、諸々の課題を解決する一つのソリューションとして、私のジャーマネが「人事制度を作るぞ!」と言い出しました。
大きな歯車と小さな歯車
シンプルですが、深化と探索を両立するために、人を分けるのです。
もちろん探索的(非連続な進化や革新を起こし続ける)な活動は引き続き取り組みます。一方で、もっと深化的(連続的にオペレーションや製品を磨き込む)な活動にこそ、日々お客様と向き合い、知見を蓄積するエキスパートが必要です。深化と探索それぞれの適所に適材を配置することで、大きな歯車と小さな歯車を同時に回すことができるようになります。
エキスパート制度と深化
Saasの最大の特徴はお客様の声を製品に届けられることです。私達のチームでは以下の2つをサポートのミッションとして掲げています。
お客様の課題を解決し、freeeを使ってお客様の成功の手助けをすること。
お客様の今を知り、困ってること、freeeがもっとこうなったらいいことを教えてもらい製品に届けること。
これらを実現に近づけるためには、広く深い知見や経験が必要です。それを担う存在として「エキスパート制度」と名付けました。
製品の知識、会計や人事労務の知識、お客様の業務の理解、エキスパートになるための知識や経験は一朝一夕で得られるものではありません。
制度上は、まだ明確に定義出来ていませんが、エキスパートには以下のような職務区分を想定しています。
短期的な件数やスコアだけでなく、長期的にそれぞれの領域を極めることで、様々なことを改善し、深化させていくことがミッションです。
制度はまだまだ始まったばかり。
伸びしろだらけですが、勇猛果敢なハリネズミ達の躍進に期待しつつ、私達はもっともっとお客様へ価値を届けていきたいと思っています。
ちなみに、ここでは分かりやすくゼネラリスト(キツネ)VSエキスパート(ハリネズミ)を例にしました。一方で、カスタマーセンターの管理者やSVは総合的な知見が求められるため、カスタマーサポートはゼネラリストだ、という考え方もあります。CS議論をしたい人は大歓迎。是非私まで。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
「1万時間を費やせば何事もプロになれる」という法則もありますが、私がサポートの世界に飛び込んで約9,736時間が経ちました。
先輩ハリネズミ達の背中を追いかけて、カスタマーサポートの端くれとして、freeeを、サポートを盛り上げる一翼になれればと思っています。
freeeのカスタマーサポートについて、少し興味がわきましたでしょうか?
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。
これを読んで、我こそはサポートハリネズミだったと気づいたあなた、freeeでは、一緒にマジ価値を追い求めてくれるハリネズミを募集しています。(もちろんキツネのあなたも)
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明日はハイタッチOnbチームのaseiさんです。元ユーザーさんならではの面白い視点のお話が聞けそうですよ、お楽しみに。
(あ、もちろん「スキ」してくれたらすごく嬉しいです!)