清田予紀

都心では珍しくなった築100年近い土蔵を改造した家に住む心理カウンセラー。心理雑学の著…

清田予紀

都心では珍しくなった築100年近い土蔵を改造した家に住む心理カウンセラー。心理雑学の著書を多数出版。長年、猫と暮らしていたこともあり、猫の心理にも精通している。

最近の記事

ネコゴコロとヒトゴコロ その25

猫の気持ちを知る方法①  人間同士なら会話することで相手の考えや思っていることをある程度知ることができますが、相手が猫だとそうもいきません。もし、あちらが猫語で喋っているとしても、こちらには理解できないので、会話が成立しませんものね。  でも、猫の気持ちを知る手立てはちゃんとあります。それは、猫が発するノンバーバル(非言語)情報を上手にキャッチすること。  コミュニケーションの方法には、バーバル(言語)とノンバーバル(非言語)の二種類があります。私たち人間が得意とするのは

    • ネコゴコロとヒトゴコロ その24

      猫背  スマホやパソコンを使っての作業が多い現代、自分が猫背になっているのではないかと気にしている人は多いはず。  それにしてもなぜ猫背というようになったのでしょう。それはもちろん、背中が丸まったような姿勢の状態が猫の丸い背中に似ていることに由来します。姿勢の悪さを象徴するような言葉なので、人に「あなたって猫背なんだね」と言われると、ドキッとしてしまいます。  ただし、猫の名誉のために付言すると、猫が猫背なのは何も姿勢が悪いからではありません。彼らにとっての猫背は瞬発力や柔

      • ネコゴコロとヒトゴコロ その23

        段ボールが好き  猫の段ボール好きは、一途というか筋金入りです。空のダンボール箱を見つけると、わき目もふらずまっしぐら。飛び込まずにはいられません。  なぜ猫はあんなにも段ボールが好きなのでしょう。しかも、自慢の柔軟性を発揮して、絶対入らなそうな小さな段ボールにもちゃんと収まって、気持ちよさそうに寝息を立てるほど。   大好きな理由の一つは、段ボールの持つ優れた保温性でしょうか。体温を逃がさないので温かいし、構造に柔軟性があって適度にふかふかしているので、猫にとってはとて

        • ネコゴコロとヒトゴコロ その22

          ボス猫の条件  野良猫の中には、こいつがきっとこの界隈のボス猫なんだろうなといった雰囲気を漂わせる猫がいます。他の猫とは存在感がまるで違うのです。  違いが特に表れるのが顔。とにかく大きい!エラが張っている上に筋肉も発達しているせいか盛り上がっていて横幅が尋常じゃないのです。  まるでオスライオンがたてがみで己の強さを誇示するように、たてがみのないボス猫は幅広の顔で自分の存在感を誇示しているように見えます。  ちなみに、進化論の提唱者ダーウィンによれば、ライオンのたてがみ

        ネコゴコロとヒトゴコロ その25

          ネコゴコロとヒトゴコロ その21

          結構毛だらけ猫灰だらけ  映画『男はつらいよ』の主人公フーテンの寅さんの仕事は露天商(テキ屋)。今でいうと、テレビショッピングによく出てくるカリスマ実演販売士みたいな職業です。  劇中でも、寅さんが巧みな話術で品物を売りさばく、啖呵売のシーンがよく出てきます。例えば、こんな口上でお客の聞き耳を立たせてしまいます。 「結構毛だらけ猫灰だらけ、お尻のまわりはクソだらけってね!」  こんな感じで、思わず笑ってしまう口上が次々と飛び出すので、寅さんの周りにはいつの間にか人だかりがで

          ネコゴコロとヒトゴコロ その21

          ネコゴコロとヒトゴコロ その20

          一宿一飯の恩義  義理堅い猫、ミミの話です。  我が家にご飯を食べにくるようになってどれくらい経ったか、だんだん部屋の中でもくつろぐようになり、自然と我が家の一員になった猫がおりました。丁度、その数か月前に22年間一緒に暮らした猫が他界してしまったので、その子と入れ替わるようにちゃっかりと。  ミミと名づけたその猫が律儀な性格だと思い知ったのは、それから間もなくのこと。  目が覚めたら、枕の横で猫がこっちの顔を覗いてるのです。ご飯の催促なのかと思って、顔をミミのほうに向け

          ネコゴコロとヒトゴコロ その20

          ネコゴコロとヒトゴコロ その19

          猫は夜行性?  猫って、昼間は惰眠をむさぼり、夜は活発に動き回るイメージがあります。なので、夜行性なのかと思ってしまいますが、実は完全な夜行性ではなく、薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)の動物なのだとか。  薄明薄暮性とは、主に薄明(明け方)と薄暮(夕暮れ)の時間帯に活発に活動する性質のこと。  猫が明け方や夕方の時間帯に行動が活発になる理由としては、彼らが獲物としていた動物たちの活動時間が関係するようです。  例えば、猫の獲物である鳥は薄暗くなると視力が落ちるので捕まえや

          ネコゴコロとヒトゴコロ その19

          ネコゴコロとヒトゴコロ その18

          借りてきた猫   初めて会う人や慣れない環境の中にいると、普段とは違って口数も減って存在感が希薄になってしまう人のことを「まるで借りてきた猫のよう」と言ったりしますが、その由来をご存じでしょうか。   昔々、日本人が猫を飼い始めた頃のこと。猫を飼う目的の一つは穀物を荒らすネズミ駆除のためでした。でも、そのためだけに猫を飼うのは不経済。   なので、猫を飼えない人がネズミを駆除したい場合は、猫を飼っているご近所さんに「お宅の猫を貸して欲しい」と頼むことに。     けれど、猫

          ネコゴコロとヒトゴコロ その18

          ネコゴコロとヒトゴコロ その17

          猫にマタタビ 「猫にマタタビ」ということわざがあるように、猫の多くはマタタビが大好きです。マタタビを匂ったり食べたりすることで、まるで陶酔したかのように喉を鳴らしたり、からだをスリスリしたりします。  猫がマタタビに反応するのは、脳の中枢神経が刺激され、一時的に軽い多幸感に包まれるからだと言われています。  でも、それだけではないことが最近の研究でわかりました。   実は、マタタビには猫に多幸感を与える成分の他に、蚊を寄せ付けなくする成分も含まれているというのです。  研

          ネコゴコロとヒトゴコロ その17

          ネコゴコロとヒトゴコロ その16

          食べ残す  出された食事、犬はだいたいペロリと平らげるけれど、猫ってなぜかちょいと残すんですよね。飼い主からすると、せっかく出したのだから全部食べてくれると嬉しいし、残すともったいないし。なのに途中でプイッとされると、消化不良かな、それとも胃に毛玉でもたまっているのかなと、猫の健康状態まで気になってしまいます。    でも、猫がご飯を残すのは、猫ならではの特性といえるのかも。  猫って、犬と比べると多分に野生味を残しています。野生動物にとって、食料はいつも手に入るものではあ

          ネコゴコロとヒトゴコロ その16

          ネコゴコロとヒトゴコロ その15

          鼻キス 猫が行う挨拶の一つ、それが鼻キス。 たまたま出会った猫同士が、鼻を近づけてまるでキスをしているように見えることがあります。お互いの鼻先を近づけるのは親しい証拠。互いのニオイを嗅ぐことで、敵意がないことや親しさの度合など様々な情報をとり込んでコミュニケーションを取り合っているのです。嫌いな相手とやることはまずないので、鼻キスは信頼の証と言えるでしょう。 猫は人間に対してもこの鼻キスをしてくれることがあります。 信頼の証である鼻キスを猫がしてくれるのですから、してもら

          ネコゴコロとヒトゴコロ その15

          ネコゴコロとヒトゴコロ その14

          ねこふんじゃった  恥ずかしながら、ピアノで唯一弾けるのが『ねこふんじゃった』です。  軽快な旋律に乗せて「ねこふんじゃった、ねこふんじゃった」で始まるこの曲、メロディは世界中で親しまれていますが、タイトルや歌詞は国や地域によって様々なんですってね。  主役として登場する生き物も猫だけではありません。犬だったりロバだったり、また蚤だったりと多種多様。お国柄が感じられて面白いです。  今回、改めて日本の歌詞を読んでみて驚きました。というのも、踏まれた猫にしてみたら、もう踏ん

          ネコゴコロとヒトゴコロ その14

          ネコゴコロとヒトゴコロ その13

          猫糞する 「猫糞」と書いて「ねこばば」と読むんですね。  素知らぬ顔をしてこっそり他人の物をくすねたりすることを「猫糞をする」といいます。これは、猫がトイレを使ったあと、砂をかけて自分のした便を隠してしまうところからきた言葉。それが「まるで悪事を隠しているように見える」ことからこの言葉は生まれたようです。  でも、猫にしてみたら失礼な話ですよね。私たち人間がトイレで水を流すように、彼らも自分のした物の後始末をしただけなんですものね。それをまるで盗み食いや万引きでもしたかのよ

          ネコゴコロとヒトゴコロ その13

          ネコゴコロとヒトゴコロ その12

          猫も夢を見る?  猫も夢は見るのでしょうか。  答えは、たぶんYES。寝ている猫を観察すると、たまに耳がピクピクッと動いたり、前脚をモミモミすることもあります。時には「ウニャッ」と寝言をいう場合も。そんなときは猫も夢を見ていると思われるのです。  どんな夢かは直接聞くことができないのでわかりません。でも多分、私たちが見る夢と同じで、彼らも目が覚めたらほとんど忘れているのではないでしょうか。  睡眠には2種類あります。1つはレム睡眠、もう1つはノンレム睡眠です。レムとは「R

          ネコゴコロとヒトゴコロ その12

          ネコゴコロとヒトゴコロ その11

          あくびはうつる?  質問です。近くにいる誰かがあくびをしたとき、あなたは?  Aあくびがうつったり、うつりそうになる  Bあくびがうつることは滅多にない  実はこれ、あなたの『共感力』をチェックする簡単なテストです。  共感力とは、相手の立場や視点に立って物事を判断する力、良好な人間関係を築くには欠かせない能力のことです。  心理学の実験によると、「共感力が高い人ほど、他の人からのあくびをうつされやすい」ことがわかっています。ということは、Aを選んだ人のほうが共感力は高

          ネコゴコロとヒトゴコロ その11

          ネコゴコロとヒトゴコロ その10

          “猫っかわいがり”する  「猫っかわいがりする」という言い方があります。むやみやたらに甘やかしてかわいがったり、溺愛することをそう言います。でも、考えて見たら、なぜ“猫”限定で、「犬っかわいがり」とか「ウサギっかわいがり」とは言わないのでしょう。  思うに、それは猫が永遠のネオテニー(子供っぽい顔立ち)で、しかもすこぶるつきの甘え上手だからなのでしょう。  ちなみに、ネオテニー(幼形成熟)とは、生き物が幼い頃の特徴を残したまま、肉体的にも精神的にも成熟すること。  そもそ

          ネコゴコロとヒトゴコロ その10