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ドルベースで防衛費が減ったのは日経の円安世論操作のせい


安全保障とeconomy(3)防衛費も「失われた30年」
世界2位から10位に 低い成長率、陰る影響力
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO81382490U4A610C2PD0000/

散々円安こそが国益、円安=株高=好景気でるように世論操作をしてきた日経がこんな記事を書くのは噴飯ものです。


>バブル崩壊後の経済の低迷期「失われた30年」は安全保障にも影を落とす。日本は防衛費を長らく国内総生産(GDP)比で原則1%以内にとどめてきた。暮らしの豊かさを象徴するGDP成長率が低調なら防衛費も伸びない関係にある。かつて世界2位だった支出額は10位まで落ちた。


岸田文雄首相は2023年末の講演で「この30年を『失われた30年』と呼ぶ向きもあるが『移りゆく30年』と呼ぶべきではないか」と提起した。経済・社会構造の移行にはひとつの世代の区切りに当たる30年程度が必要だと説明した。

>日本は15年に安全保障関連法を整備し22年12月に防衛費をGDP比2%に増やす方向へカジを切った。防衛装備品の輸出拡大に道を開き、日本は大きな移行を果たした。

それは日経や他の記者クラブメディアが防衛産業が産業であるという当たり前の視点で報道してこずに、あたかも抽象的な存在であるかのように扱ってきたことが大きな原因でしょう。防衛産業をあくまで産業ではなく、政治の視点でしか扱って来なかった。


>世界銀行の統計でも日本の防衛費は22年に10位に落ちた。バブル崩壊から間もない1995年の日本の順位は米国に次ぐ2位だった。国際通貨基金(IMF)によると95年の日本の名目GDPは5兆5千億ドルで世界の18%を占め、こちらも米国に続いて2位だった。

>当時の日本の防衛費はGDP比1%枠におさまる4.7兆円で24年度予算の7.7兆円の6割程度にすぎないのに世界全体の7%ほどを占めた。

ではアベノミクスで円安誘導してきた第二次安倍政権時に、こういう記事を書いてきたといえばまったくないでしょう。


>日本のGDP規模は10年に中国に抜かれて3位となり、IMFによる23年の見通しでは4兆2308億ドルとドイツより少なくなった。株価など好材料もあるが、1人当たりGDPは主要7カ国(G7)の中で最も低い。
>中国をみると経済と軍事力の関係がわかりやすい。名目GDPは30年の間に35倍以上になり、国防費も同様に膨らんだ。

それを望んできたのは日経でしょう。円安に誘導しても景気が良くならなかったのはこの30年ずっとわかって来た話です。多くの経済政策は全く無意味で、経済成長に寄与することはなく、単に財政赤字を増やしてきて、今や第二次大戦末期以上に悪化した。


>日本が27年度までに防衛費をGDP比2%まで増やせば、日本の順位は上がる見込みだ。

頭がおかしいのでしょうか。借金で無理な軍拡をすればソ連の二の舞いですよ。5年間で43兆円(真水で40兆円)の大盤振る舞いの後は、縮小せざるを得ません。しかも建設国債5千億円も防衛費に当てているのに、ふるさと脱税ことふるさと納税をやめろとは政府も日経もいいません。


低成長からの脱却を促す意味でも、防衛は技術革新の中核分野として期待が高い。防衛を単に防衛ととらえるのではなく、技術革新による成長のけん引役と位置付ける意識改革が欠かせない。

ここいらは経団連とか、防衛省とかの話を鵜呑みにしているだけです。売上を上げるためには世界の市場戦わないといけない。そもそも日本の防衛産業は防衛省だけが顧客の国営企業と同じです。しかも死の商人と呼ばれるのが嫌で防衛産業の多くの企業はリクスを負って輸出なんかやりません。
例えばニコンなんか、軍用スコープや双眼鏡などは容易に軍事市場で展開できるでしょう。ブランドネームはあるし、世界に流通営業網を持っている。でもやる気がなくて、潜水艦や戦車のペリスコープ作っていることを隠したがります。散々軍事市場で儲けているソニーやYKKもそれを隠したがります。

しかも軍事市場は過当競争のレッドオーシャン市場です。低性能、低品質、高コストの日本製装備は売れません。


根拠のない大国意識で勉強もせずに、自分の頭で考えることもできないやつが記者を名乗って記事を書くのはやめて欲しいものです。


>防衛研究所の小野圭司主任研究官は「いまは経済的に苦しんでいる中国も少しずつ米国との軍事力の差を縮めていく。日本にとっては経済、安保環境ともに厳しい状況が続くだろう」と分析する。

何が言いたいコメント引用か全くわかりません。
中国が頑張っているから、日本は厳しくても頑張れというのでしょうか。
中国が軍拡してきたのは、経済成長に併せてきたからです。そして厳しい国際武器市場で国策として値段だけはなく性能や品質も向上させて、途上国を中心にシェアを広げてきた。これは独裁国家だからできたことです。

対して我が国は巨額の財政赤字を抱えているにもかかわらず、税収70兆円で110兆円の予算を組んでいます。そして年間5千億円がダダ漏れするふるさと脱税すらとめることがでない。そして将来は少子高齢化で、財政赤字を返していくことがますます困難になるでしょう。であれば今後延々と円安傾向が続くでしょう。

こういうところに日本を追い込んできたのは日経などの経済・軍事音痴の記者クラブメディアが事実を報道せずに、円安=好景気というデマを流し続けて国民を洗脳してきたからです。
日本が軍拡路線を取るのは無理ですし、43兆円使った後は、少なくなった防衛費でそのらん脈で買った装備の維持費を払い続けることになります。

下手をするとIMFの管理下に入って防衛費をバッサリ削られるでしょう。


■本日の市ヶ谷の噂■
防衛医大など防衛省衛生関連部署は「本日の市ヶ谷の噂」による暴露で恐慌状態、との噂。

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
「敵に手の内をさらさない」という防衛省、自衛隊の「敵」は国会と納税者か
https://japan-indepth.jp/?p=83101
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?p=82844
日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748

次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695

次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
航空専門医がいない空自に戦闘機開発はできない
やる気のある医官が次々に辞める自衛隊の内情
https://toyokeizai.net/articles/-/744651


月刊軍事研究4月号に陸自の18式防弾ベストに関する記事を寄稿しました。


軍事研究 2024年 04 月号 [雑誌]

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