プロ市民に阿る新聞の伊藤忠とエルビットの契約終了のプロパンガ記事


朝日新聞や東京新聞などのいわゆるリベラル系メディアは伊藤忠がエルビット社との関係を精算したという報道をしています。
ざっくりいうとプロ市民勝利!正義は勝つ!

みたいなバイアスを感じます。

ぼくが関係者に取材する限り、問題はもっと複雑ですし、プロ市民の全面勝利でもないようです。少なくとも陸自の共通戦術車のプログラムには支障はでません。

ガザ戦闘4カ月で、問われる日本の人道感覚
 イスラエル軍需企業との協力終了 政府は難民機関への資金打ち切り


>パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエル軍の軍事衝突が始まってから7日で4カ月が過ぎた。ガザ保健当局によるとガザ側の死者は2万7000人を超えたが、停戦の見通しは立っていない。深刻な人道危機に対し、日本の政府や企業はどう向き合うのか。人道感覚が問われている。(木原育子、山田祐一郎)

> エルビット・システムズはイスラエル軍にドローンや武器を供給している。防衛装備品を取り扱う伊藤忠の子会社と日本エヤークラフトサプライ(NAS)は昨年3月、エルビット社とMOUを結んでいた。
 鉢村副社長は会見で、MOUについて、防衛省の依頼に基づき、日本の安全保障に必要な自衛隊の防衛装備品の輸入が目的だと指摘。「イスラエルとパレスチナの紛争に一切関与するものではない」と強調した。

>ガザ攻撃後、MOUに対して、市民団体が抗議活動を実施した。「『パレスチナ』を生きる人々を想(おも)う学生若者有志の会」は、約2万5000筆のオンライン署名を伊藤忠やNASに提出した。イスラム教徒が多いマレーシアでも、伊藤忠の子会社であるファミリマートの不買運動が起きた。
>これらの動きも影響を与えたのか。伊藤忠の広報部は「あくまでICJの判断と(それに対する)政府の談話を鑑みた結果だ」とし、「抗議活動があったことは承知しているが、判断材料になったということではない」と突き放した。NASの担当者は「取材等は受けていない」と答えた。

>「市民にも世界を変える力がある」
 抗議活動をしてきた市民はどう思っているのか。
 作家の松下新土(しんど)さん(27)は「市民的不服従の歴史に残るほど大きな一歩」と力を込め、「ガザで起きていることは全員が加担者。絶対に止めないといけないと思ってやってきた」と振り返り、「抵抗に共感した人たちは社会的に非常に抑圧された、それぞれの痛みを抱えて生きる人たちだった。パレスチナの痛みに共鳴し、連帯した結果」と続けた。
>「有志の会」でオンライン署名を担当し、講演会を企画してきた皆本夏樹さん(25)も「私たち市民には世界を変える力があるって気づけた」と喜ぶ。
イスラエルの軍事企業との取引停止を求め、伊藤忠東京本社前で実施された抗議デモ=1月19日、東京都港区(杉原浩司さん提供)
イスラエルの軍事企業との取引停止を求め、伊藤忠東京本社前で実施された抗議デモ=1月19日、東京都港区(杉原浩司さん提供)

>「武器取引反対ネットワーク」代表の杉原浩司さん(58)は「不買運動などによる大きな成果だ。欧米の軍需企業が大軍拡に群がる中で、この日本でバリアーを築くことができた。NASへの圧力にもなる」と話す。
 ただ、昨年11月の伊藤忠本社前での抗議活動中、杉原さんが担当者に「虐殺に加担して恥ずかしくないのか」と問うと「恥ずかしくなんかないよ」という答えが返ってきたという。「あの言葉を忘れたことはない。伊藤忠はSDGsを掲げ、就職人気企業でも常に上位だが、今は理念と全くかけ離れている


>ICJが、イスラエルに対してジェノサイド防止を求める暫定措置命令を出した1月26日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の複数の職員が昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃に関与した疑いが浮上した。

>UNRWAはイスラエル政府からの情報提供に基づいて職員を解雇し、調査を始めたと明らかにした。米国がUNRWAへの資金拠出の停止を発表すると、英国やドイツ、カナダ、オーストラリアなども追随した。日本政府も28日、資金拠出の一時停止を表明した。


>前出の三牧氏は、欧州でもノルウェーなどには拠出金を追加する動きがあるとし、こう訴える。「人道的危機に加担する事態を日本政府はどう考えるのか。親イスラエルの米国やホロコーストの問題を抱えるドイツに追随するのが正しいのか。むしろ、これらの国が拠出をやめた分を埋めるような人道支援を考える局面ではないか」

>伊藤忠はイスラエル軍の攻撃で多数のガザ市民が死亡している事実への評価はしていない。日本政府のUNRWAへの資金拠出停止も、影響を受ける人々の痛みへの配慮が不足している。平和、人権、法の支配。日本が本来よって立つべき基盤を自らないがしろにしていないか。(北)


例によって「匿名記事」ですから、便所の落書きレベルの記事ということです。
東京新聞の記者はデスク、記事中に登場する「平和運動家」の人たちは、ハマスのイスラエル市民に対する「無差別攻撃」や人質取って彼らを処刑していることに対してどう思っているのでしょうか。

それってフェアじゃないですよね?

ぼくは全面的にイスラエルを支持するつもりはありませんし、現在のイスラエルの右派政権の強硬姿勢がこのような自体を招いたとも思っています。だからと言ってハマスを両手を上げて礼賛などできません。

エルビット社と取引があるのは、伊藤忠本体ではなく子会社の伊藤忠アビエーションです。
現在調達が進んでいる陸自の共通戦術装輪車の偵察戦闘車型はエルビットの偵察システムを搭載しています。ではこのプログラムが停止になるか。少なくとも現時点ではそんなことはないとのことです。今後も他社が引き継いで運用に支障がでることはない。
この件で、朝日や東京新聞は防衛装備庁にしゅざいしたんですかね?


また伊藤忠はとりあえず、一旦覚書(MOU)を終了するが、将来仕切り直しをする可能性があるとのことです。伊藤忠本社ではプロ市民の抗議などで業務が滞っていることもあり、火消しが必要だと判断したようです。

ですがこれは、「プロ市民が騒げば何でも通る」という間違ったメッセージを世間に与えることになります。

軍事の世界ではイスラエルのプレゼンスは大きく、完成品だけでなく、コンポーネントが多くの国で使われています。我が国が輸入している欧米製装備にも入っているでしょう。ハードウェアだけではなく、ソフトやパテントもあります。

それらを全部排除してイスラエルフリーをやるのでしょうか。更に申せばITのセキュリティ関連だと軍事に限らずイスラエルの製品やサービスを使っています。それも排除するのでしょうか。

ぶっちゃけた話をするとアラブ諸国が輸入している欧米だけではなく中国製外国製装備にも多数イスラエルのコンポーネントが使われていますが、彼らはそれらを排除しろとはメーカーに要求しません。「それは言わない約束でしょ、おとっつぁん」みたいなものです。

そしてイスラエルを国際司法裁判所に提訴した南アフリカでは政府が白人農場を襲ったりすることを肯定していますし、黒人を役員に入れない会社は政府調達を締め出すみたいな嫌がらせをしています。人様のことを批判する権利があるのでしょうか。

かつてアパルトヘイト時代某女性キャスターはもう、南ア製のアップルタイザーは飲まないと公言していました。ですが車のエンジンの触媒の白金の多くは南ア製でした。また
飼料のトウモロコシも南アから多く輸入され、ダイヤモンドは殆ど南アが仕切っていました。ダイヤは装飾品だけではなく工業用も多く使用されています。
彼女の主張は公然オナニーでしか過ぎなかったわけです。

また人道云々いうのであればコソボのNATO空幕、イラクが大量破壊兵器を持っていたと因縁をつけて攻め込んだイラク戦争など米国やその同盟国は多くの人権侵害をおこなっていますが、それらの国からの兵器輸入もやめるのですか?


国際的な紛争や戦争はどちらが白黒のハリウッド的な二元論ではありません。どちらも悪いこともあります。単純化していい問題でありません。

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