自社株買いは実体経済を破壊する

自社株買いは実体経済を破壊する

自社株買い、透明性確保を 活用と悪用の判別可能に

自社株買いは米国でもレーガン政権までは違法行為でした。これが打ち出の小槌となって、実体経済以上にマネーが膨らんだ原因の一つになっています。ぼくは禁止すべきだと思っています。


https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB237F80T20C23A5000000/

>社株買いは以前、米国特有の奇妙な風習と受け止められていたが、今では世界を席巻している。英資産運用会社ジャナス・ヘンダーソンの調査によると、2022年の企業による自社株買いの総額は過去最高の1兆3000億ドル(約180兆円)にのぼった。

>アクティビスト(物言う株主)からはもろ手を挙げて喜ばれ、急進左派からは条件反射のように批判される自社株買いだが、それだけですませていい話ではない。遅きに失した感は否めないが、今こそ自社株買いの実態が把握できる、透明性を確保できる仕組みを導入すべきだ。

>かつて、企業は余剰資金があると株主に配当として還元していた。だが、近年ではテックなど成長力があるセクターを中心に、余剰資金を自社株買いに回すことを選ぶ企業が増えている。中には借金をしてまで自社株買いをするケースも出てきた。

>短期的な利益を追う投資家や放漫な事業拡張を懸念する株主などはこうした手法を好む。自社株買いで発行済み株式数が減れば簡単に株価を押し上げられるからだ。

>業績が市況に大きく左右される企業の経営幹部も、株主が受け取って当然である配当より、予期せぬ株価上昇をもたらす自社株買いを好む。不況時に配当を減らせば業績不振を大々的に認めることになるが、自社株買いはそれより簡単に中止できるためだ。

>だが、自社株買いを疑問視すべき強力な根拠もある。前年に自社株の5%以上を買い戻した企業に投資する米インベスコ・アセット・マネジメントの上場投資信託(ETF)を例にとってみよう。
>ETFを構成する企業の平均株価と米国株の代表的指数であるS&P500種株価指数を比べると、パンデミック初期こそS&P500を上回ったが今年に入ってからと過去10年間では下回っている。

>反対派は、自社株買いで企業は自社の株価の一時的な上昇にばかり目を向け、従業員の賃上げを阻み、研究開発費の出し惜しみにつながると批判する。目先の利益を確保するだけで、会社の未来を犠牲にする行為だとみている。

>また、経営幹部が報酬として新規発行した株を得る一方で、それによって希薄化した株式を減らす目的で自社株を買い戻すといったことがある。このような場合、誰が本当に利益を得ているのかを考える必要がある。

>こうした理由から、バイデン米大統領は22年に成立したインフレ抑制法で自社株買いに新たに1%を課税する制度を導入した。バイデン氏はこの税をさらに4倍にしたい考えだ。

>筆者は反対派のように自社株買いが悪いものだとは考えていない。そもそもニュースとして注目を集めても最終的には会社の価値を下げるような企業買収に金をかけたり、あるいは米メタ(旧フェイスブック)のように仮想世界「メタバース」に固執して大金を注ぎ込んだりするよりは、株主に利益を還元する方がよほどましだと思っている。

>だが、自社株買いは成長のための賢明な投資や従業員への適切な賃金支払いの代替にはならない。さらに自社株買いは悪用される恐れもある。
>一時的な株価高騰から企業幹部が個人的に利益を得ている可能性があることを突き止めた。

>情報開示によって自社株買いに一層光が当たれば、投資家は自社株買いを「適切」に活用している企業と「悪用」している企業を見分けられるようになるはずだ。これによって、従来のような自社株買いの是非を巡る激論は沈静化するのではないだろうか。

筆者は自社株買いに賛成しながらも、問題点を指摘しています。ですがレーガン政権まで米国でも自社株買いは禁止されていたことを思い起こすべきです。
禁止されていたのは、それが一種の株価操作だからです。余剰式あるいは借金で自社株買いをして株価を釣り上げれば濡れ手に粟で利益が得られます。
それは投資家だけではなく、ストックオプションで儲けることができる経営者も同じ穴のムジナです。

失敗するかもしれない、しかも長期の研究開発に投資したり、従業員の能力を高めるような投資をしたり、設備更新によって製品の性能や品質を上げることよりも、遥かに容易に株価をあげることができます。

つまり、例えばホンダジェットのように10年単位で時間も費用をかけて新規事業を立ち上げて、育てるのは効率が悪い。新規をやるならばベンチャー企業を買えばいい、というお話になります。

そうするとどうなるか。会計などの部門が優遇され、製造や現場の販売に関わる人間が大事にされません。人件費という費用は低いほどよい、であれば教育に投資するなんてことは無駄となります。
そうなると人的な空洞化が進みます。実際にプロジェクトを進めると机上の計画通りには進みません。そのときに必要なのが経験と知識、ノウハウを豊富にもっている社員です。それがいなければ社内はもちろん、社外の取引先やベンダーと問題が生じたときに有効な手が打てません。

デジタル設計の優等生T-7練習機が3年遅れに
https://holylandtokyo.com/2023/04/24/4539/

ボーイングは以前737で事故でスキャンダルを起こしましたが、それもこのような金が金を産むことを事業会社がやっているからだと思います。その結果今や金余りです。金は経済の血液と言われますが、その血液が身体の何百倍にも膨張して、実体経済が金の海で溺れている状態ではないでしょうか。

ボーイングの強欲主義は米資本主義の典型例
https://note.com/kiyotani/n/n682a426bd99b

■本日の市ヶ谷の噂■
組織の利権のために論文書いたこと無い木村幹彦一佐を防衛医学研究センター、特殊環境衛生研究部門の教授にしようという三幕衛生部と防衛医大幹部だが、佐藤 俊一防衛医学研究センター長は、今までもそのような方が選ばれたこともあります。その様な方と比べて遜色ありません。と述べて防衛医大の教授選定がいかにいい加減でも問題ないと強弁。更に木村幹彦一佐は20年ほど前の博士課程の論文で、航空医学ではなく、病理学という違う分野の論文を書いたことを挙げて、該当の論文はありませが、面接をして素晴らしい方で教授に適任とまで持ち上げた、との噂。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?