絵本『ひとつの火』 できました!
第3回安城市新美南吉絵本大賞受賞作品の『ひとつの火』が、やっと10月に発売されました。それから1ヶ月ぐらい、やっと気持ちが落ち着いてきました。とにかく良い経験させていただいたなぁと感謝感謝です。
昨年12月に大賞受賞をお知らせいただいてから、すぐに編集の松田素子さんとお会いして作品について色々と意見交換をしました。原画を見ながら私がどう考えて描いたのか話したり、物語をより深く理解していくヒントをいくつも下さったり、構図のこと、ノドのこと、細かく打ち合わせしました。私にとっては憧れの松田素子さんとそんな話ができるだけで気持ちがフワフワしてしまうのをグッと堪えて、さぁ、これからやってやるぞ!という武者ぶるいもあり、ワクワクでした。
2月に授賞式があり、審査員の方や他の受賞者さんとお会いでき、作品も見れた上に、作品講評も聞けてとても勉強になりました。
3月頃は、直すページのラフを描いたり、新しい絵を描き始めたりしていたのですが、、夫が入院してしまい、ムスメちゃんとの二人暮らしが始まりました。ムスメちゃんの不登校は続いているし、情緒はさらに不安定。夫がどうなるかも分からず、まさに五里霧中。そして〆切は6月末。
いやぁ、今思っても大変な時期でした。友人に助けてもらい、近所の方に見守ってもらい、松田さんにも励ましてもらい、行政の人までやってきて、お医者さんに助けてもらい、本当にありがたかったです。
でも、最終的には自分でどうにかするしかないんだという部分は絶対あって、それを支えてくれたのは、制作しなければならない、どうしても完成させたい『仕事』があったから。
ムスメちゃんの毎日ルーティーンに付き合っていると、毎日の少しの変化によく気がつくようになって、日が沈む時間が遅くなっていくこと、その雲の色合いや形、花が咲いたり枯れていったり、違う草が生えてきたり、コウモリが飛ぶようになったり、、いつもより自然に対する感受性が上がっていた気がします。だから描けた部分も確かにあって。
この絵本は、私にとってはデビュー作で、初めて多くのプロフェッショナルの方に支えていただいた作品で、個人的には密度の濃い時間を過ごしていた記録でもあります。
ありがたかったなぁ。
よくできたなぁと、しみじみ。
絵本が人の手に渡りだして、最近やっと作品が独り立ちした感覚です。
多くの人に手に取ってもらえますように。
誰かの心に小さな火を灯せますように。
さて、私は次の作品作りへとまいりましょうか。
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