ハサミと紙で熱狂させる男

昨日の引き続き林家正楽師について綴りたい。きっかけは、林家彦いち師がマクラで、林家正楽師について語っていた。マクラ爆笑部門Best3にランクインするほど、腹抱えて笑った。
学校寄席に2人で出演した時の内容である。
おバカ?な男子校で、学生が正楽師匠にパンダを3回連続でお願いするという逸話だ。高座を降りてきた時の師匠のコトバが印象的。
「今日はパンダが多かったね~」w

微動打としない師匠の姿が目に浮かぶ。

落語で三題噺という形態がある。お客からお題をもらって、即興で噺を創作する落語だ。磨き上げた噺を高座にかけるのではなく、即興で行うお客とコラボレーション。その三題噺で「芝浜」や「鰍沢」の原作が生まれたらしい。うまくかみ合うかどうか、なかなか究極のプロセスだ。

紙切りは、常にお客からお題をもらい、ハサミと紙でお客の想像を超えていく。もちろん落語とは違うが、直接的にお客の声を表現する紙切りは、言われたことのそのままでなく、すべてを超えて、美しい1つのシーンに仕上げてくれる。
だから、いつも「わぁー」ってなって拍手がうまれる。
数えきれない高座に上がってきて、スナック菓子の袋を切ってくれとか、爪を切ってくれとか言われ続けて、磨かれてきたスタイルが「今日はパンダが多かったね~」っと飄々と言ってのちゃうのだ。

彦いち師に教えてもらった愛すべき正楽師の魅力。その後、友人たちと新宿末廣亭に行ったとき正楽師匠が登場!そして、パンダをGETした!
みんなで笑った想い出のパンダが今だからほしいのだ。

調べてみるとこんなのもあって、やっぱり師匠がスキだなー。

ローリングストーンズの前でメンバーの顔を「紙切り」し、熱狂させたこともある。
学校ではいつも先生に言われていた。
「君はいつも、ボーってしているけど、大丈夫か?」
そんな僕が、今では日本で10名もいない紙切りの仕事をさせてもらっている。
ほぼ、毎日、舞台に立たせてもらっている。
毎日、楽しい!!
僕は思う。
その時の実力や経験やスキルなんかよりも、楽しいと思ったことを誰になんて言われようと、まず、やってみる。そして、やり続けてみる。
これなんじゃないかな~。

夢中になれることほど尊いものはないんだよね。これからもアナタに拍手を贈りたいです。

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