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中南米カリブ地域の若者たちと関わり「日本人」として思ったこと

自然塾寺子屋さんとJICAとのコラボで、中南米カリブ地域向け青年研修 「地域における中小企業振興コース」。オンラインでの日本の各地の事例を旅して、無事に全員修了。

2018年の卒業生が、私がお伝えしたことを今期生にレクチャーする姿を見守って、うるうる🥺した。

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彼らの最終発表では、農村の発展、女性と若者の活躍、地域の文化振興、コミュニティの活性化などの目的が聞かれた。そのために「ビジネス」という手段を選択する。
#儲けたいからSDGsとは逆

彼らが見据えている目的は、日本が成長の過程で見落としてきたものばかりだ。その姿を見て、心からの尊敬の念を込めてエールを送った。

「これからの日本は、皆さんの未来から学ぶことになると思います。」

その時、自分のちょっと気持ちがざらついたのは、日本での自分たちの活動の弱さに複雑な気持ちがあったからだと思う。

思い返すと、正直、この事業に関わりはじめた2018年には、私は「先進国」の人間として、何かを彼らに教えてあげようと言うおこがましい気持ちが、もしかしたらどこかにあったのかもしれない。

そういう気持ちは、この事業に関わらせていただき、彼らの言葉と眼差しに触れ、その後の活躍を見るうちに、完全に霧散したと感じる。

若い活力。瞳の輝き。自己効力感。起業家精神。

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決して一般化したくないけれども、この老いて減りゆく国で普段感じるよりは、彼らは圧倒的にポジティブで、開放的なエネルギーに満ちていると、私は感じた。気質もあるだろうが、「国が若い」とはこういうことかと感じさせられる。
#一緒にいて自由なんだよなあ

そんな南米の若者たちから見る日本の姿は、たしかに「先進事例」かもしれない。ただ、何の先進事例なのか。

彼らにとって日本はあり得る未来の1つだ。そんな私たちが彼らに見せられることはこうだった。「こういう風に社会の成長を推し進めると、こんな姿になりますよ。」そして、「みなさんは、将来こういう風になりたいですか。こういう社会を、次の世代に残したいですか」。

先を行くからこそ見える、ありうる未来からのメッセージ、「問い」ではないかとおもう。

もちろん、日本の地方、農村には素晴らしい先駆的な事例もある。情熱に溢れてチャレンジする人たちがいることを知っている。

しかし、大きく「日本」という括りでその実態を誰かに見せた時、メタメッセージとして「しくじり先生」みたいな質感がどうしても出てきてしまうと思った。私は自分たちについて自虐的でありたいわけでは、全然ない。

一応言っておくと、自分の場合、「日本人」ということがアイデンティティにそんなに関係がないが、日本の文化が好きだ。海外にいた時には、それを誇りを持っていると思った。特に、侘び寂び、禅と茶道、合気道、アニミズムなど日本美学は自分の活動に大きな影響を与えている。

それに、自分は日本国という仕組みに感謝している。個人のエンパワーメントは弱いが、国民皆保険や銃がないこと含めた秩序安全など社会を平均化するセーフティネットという意味ではものすごく助けられてきた。
#もうそれも破綻しそうだけれど #格差社会

その自分の視点から、あえて「日本人として」(こういう話し方は普段しないので念を押す)、私がこれからの世界に貢献できるとすれば、

今後ほかの先進国も直面するであろう課題をいち早く体験するものとして、そこから見える景色や、まだ考えたこともない問いを伝えることではないかとおもう。

つまり、モノや技術などといった答え・ソリューションではなくて、「ものの見方」や「考え方」のところ。解決をもたらすのではなく、問題の質を高めることに貢献するということだと思う。
#その視点から活かせるマンガ・アニメの力とは

今から何十年後かかわからないけれど、もしも叶うなら

「日本はあんなに人も少ない、高齢化している、経済も落ちている。それなのに、なんで日本にいる人はあんなにしあわせそうなんだろうか」
「あいつといると、いつも新しい気づきをもらう。すごく世界のものの見方が変わるんだ。」「おお、そいつはきっと日本で学んだ人だろ?」

そんな風に世界の人が、日本に対して疑問や好奇心を持って欲しいな。物質的で・消費的で・貪欲な成長ではなく、精神的に満たされていく人間性の発展のリーダーとして、未来の日本人が活躍することを、自分は願ってしまった。


ともあれ、海外からオンラインで日本の地方へのスタディツアー受け入れは、いろんな意味で可能性を感じる。これからの、いい仕事だと思った。修了生同士のコミュニティーもできつつあることをたしかに感じて、その「学び合い」も実際に進んでいくことと思います。

いつか対面で出会うことを願って!

卒業おめでとう!

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今年はねいくんのテックホストが輝いた!そして、寺子屋のおふたりも改めて心から貴重な機会をいただきありがとうございます。

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