冒険が子どもを成長させる賞味期限は案外短い
今年の8月、家族で石垣島に旅行に行ったときのこと。
2歳半の子どもも一緒に乗れるシーカヤックのツアーに参加(ツアーと言っても参加したのは我が家だけでしたが)。
石垣島の北西部。
車も人気もない道路から、脇の小道を100メートルほど歩いていくと、そこは白い砂浜、青い海、果てしない水平線が広がる、「シークレットビーチ」という言葉がぴったりの人が誰もいないビーチ(なんて贅沢な!)。
ここから親子3人でガイドさんのカヤックについて行くツアーが開始。
南国の照りつける日差しを遮るものがない海の上。
息子の体力は大丈夫だろうか?
しばらく海の上を進むと、母の股の間に挟まれた息子が目を閉じてぐったり。。。
熱中症ではないのか!?
やっぱりまだ息子には早かったか!
と父は大いに焦ったのですが、
「カヤックの揺れが気持ちいいんで、小さい子はすぐ寝ちゃうんですよ」
とガイドさんは涼しい顔。
よく見ると息子も普段、田園都市線の中で爆睡している様子となんら変わりなく。。。
しばらく海の上を漕いでから、マングローブが生い茂る川の方へカヤックの向きを変えて川を遡上。
「思ったよりも綺麗じゃない川」を30分ほど漕いで、マングローブ生い茂るジャングル的な場所でカヤックを降りる一同。
マングローブが日差しを遮ってくれるのでジャングルはなかなか涼しくて快適。
ようやく目を覚ました息子は今まで見たことがないくらいに目を輝かせている。
足元は息子のくるぶしが埋まる程度の小川。
日頃から水たまりが大好きで、発見してはスニーカでダイブしてお母さんに怒られている息子にとって、ここは楽園に思えたに違いない。
目をキラッキラッさせてジャングルを探索する息子。
カニや魚(ムツゴロウみたいなやつ)を見つけては喜んでいる。
その様子をスマホで撮影していると「お父さん行くよー!」と父の手を取り、さらにジャングルを進む息子。
「こんなところまで来てスマホでパシャパシャしてんじゃねーよ! 心のシャッター押せよ!」
息子の顔からはそんなことを学んだ思いがしました。
息子のはしゃぐ姿を見つめて、
「東京では決してできないことを体験させている」
そんな親としての満足感に浸りました。
それだけでこの旅行の元は半分くらい回収できた感じです。
(ガイドさんが入れてくれた冷たい麦茶の味も忘れられません)
夕方、ホテルに戻り息子と一緒にシャワーを浴びようとすると、息子が一生懸命にTシャツを脱ごとしていました。
普段は「脱げないのー!」と言っては親に脱がせてもらっているのに、です。
そればかりではなく、翌朝も普段自分で履こうとすらしたことのない靴下を一生懸命に履こうとしていました(履けませんでしたが)。
いつも履かせてもらっていた靴も一人で履いていました。
炎天下の中、一生懸命カヤックを漕いで(寝てただけですが)、未知のジャングル的な場所を探検した「冒険」が、息子を成長させたのかもしれません。
いつの時代も冒険は「子ども」を「少年」に変えるものなのですね。
高いお金を払って石垣島まで来たかいがありました。
さて、あれからちょうど1ヶ月ーー
「くつしたーはかないのー!」
「お父さん、くつやってー!」
石垣島に行く前の状態と何ら変わらない息子の姿がそこにありました。
冒険が子どもを成長させる賞味期限は、案外短いものなのかもしれません。。。
でも、父も母も確かに見たのです。
君が冒険を経て、たくましく成長した姿を。
1日限定だったけれども。。。
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