金利のお話

金利という言葉よく聞くけれどなんとなくしか理解できていなかったため、一度本で勉強することにしました。

金利とは一言で簡単に言うと「お金の貸借料」のこと。

 例えばお金を借りて返す際には借りたお金に金利分を上乗せして返す必要があります。お金を貸す場合はその逆ですね。

 なぜ金利を上乗せしないといけないかというと、お金を貸す側にメリットがないから。では借りる側のメリットに何があるかというと、単純にお金が手に入る。ということは現在お金が足りなくても欲しいものが手に入るということ。例えば家とか、車とか、投資とか。金利以上に見合った対価が得られるからお金を借りるのですね。


金利がどういうものか簡単に理解できました。では金利が上がったり下がったりすることで私たちにどういう影響があるのでしょうか。

もし住宅ローンなどを利用している場合は、契約した金利より上がってしまうと上がった分の金利を余分に支払わなければなりませんから、返済額がアップしてしまいます。逆に金利が下がれば返済額も下がります。

では退職後、定期的に受け取る年金や預金で生活している老後生活している方にとっては、金利が上がればその分利息が増えます。逆に金利が下がると利息が下がってしまいます。

金利が上がればお金を貸している方に有利に働き、金利が下がればお金を借りる方に有利に働くということです。

企業についても同様のことが言えます。運転資金や設備投資として銀行からお金を借りている場合です。金利が上がると利払い負担が増えて企業が苦しむことになります。逆に下がれば安くお金を借りれるので設備投資など活発になっていくのです。


では金利が動く仕組みとは。

金利に影響を与える要素はたくさんあります。

1.景気動向 
2.物価動向 
3.為替市場 
4.株式市場 
5.日本銀行の金融政策 
6.日本政府の財政政策

など密接に絡み合って金利が動いていきます。


金利の種類(短期金利・長期金利)

短期金利は日本銀行の金融政策に強い影響を受けます。

日銀は金融市場に対して「公開市場操作」を行います。その目的は短期金利の指標金利となっている「無担保コール翌日物金利」を日銀が目標とする金利水準に誘導することです。

「公開市場操作」とは金融市場で資金を供給したり、吸収したりすることで、無担保コール翌日物金利を誘導目標に近づける方法です。

資金供給オペの場合は、国債や地方債、社債、国庫短期証券などを銀行から買うことで資金を供給します。すると民間銀行は互いに資金を融通しあうインターバンク市場でお金の過不足を調整していますが、日銀からお金が入ったぶん、インターバンク市場でお金を借りる必要がなくなります(少なくなります)。その結果市場で金利は下がりやすくなるというわけです。

資金吸収オペの場合は上の逆がおこり、金利が上がりやすくなるというわけです。


長期金利は財政政策の影響をうけます。

政府が景気対策として「財政縮小」という歳出規模を大きくしたり減税をしたりして景気を刺激して上向かせようとすることや、「財政拡張」という財政赤字拡大をためらわずに財政政策を積極的に活用しようとすることを行うとします。

不景気の場合だと国の税収が減るので、国家予算で当初見込まれていた歳入額を下回ってしまいます。なぜなら企業が儲からないので法人税の収入が減り、労働者の賃金も減るので所得税の収入が減るからです。さらに経済活動が活発ではないので、消費税の収入も減ります。

税収が減るのに、お金のかかる経済対策をするので、国債の発行を増やして賄うしかないのです。すると景気・物価の回復が予想され、同時に国債の供給量が増えるので、国債の利回りが上昇し、長期金利全体が上がります。


為替相場では


為替相場が物価を動かし、金利に影響を与えます。日本は輸入より輸出大国であり、資源などに恵まれていないために、鉱物や石油など多くのものを輸入に頼っている状況です。

円高に動くと・・・

原油、天然ガス、鉄鉱石、石炭、トウモロコシ、小麦などの原材料の価格が安くなります。そうなれば物価も下がり、金利も下がります。

円安に動くと逆のことがおこります。


逆に金利の変動が為替相場に影響を与えます。

アメリカの金利が上昇して(日本の金利が低下して)日本との金利が生まれると、日本の金融商品よりアメリカの金融商品のほうが有利になります。そうすると、円をドルに換えてアメリカの金融商品を購入する動きが大きくなり、円安・ドル高にうごきます。


株価と金利の関係

株価がどんどん上昇していく、またはそのような気配があれば、多くの人が預金や債券を売り現金化して株価を買う方向にシフトしていきます。すると債券価格が下がり利回りがあがるため、金利が上がります。


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