断酒日数計算したり、断酒アプリが有効な人、しない方がいい人

重度アルコール依存症の kiyopi です。

アルコール依存症者には、断酒日数を計算したり、断酒アプリで断酒日数や浮いた酒代を計算する人もいます。

ですが、それでうまくいく人がいる反面、逆効果になる人もいます。

今回はその違いについてです。


日数計算やアプリで断酒が継続している人でも、それを糧に楽しんで断酒している人、SNSでのいいね集めの様に日数や浮いた酒代の増加に躍起になっている人、ただただ我慢で日数重ねている人と様々います。
反対に、それをすることで苦しくなって止めてしまう、スリップしてしまう人もいます。

その違いは何なのか?

それは『それによって満たされる何かがあるか?』だと僕は思います。

僕が思うに、こういったものが向いているのは自分で自分を褒めることが出来る人や継続を喜びに変えられる人だけだと思っています。

逆に、断酒継続を誰かに褒めてもらいたい・認めてもらいたい・喜んでもらいたい人、必死に我慢している人は日数計算やアプリを使ったら逆に挫折すると思っています。
基本的には、医療関係者であっても口先だけでの心のこもらない賞賛しかもらえないからです。
この場合であるなら、日数計算やアプリを活用しながらでも断酒会(AAやその他の自助グループでなく断酒会)に参加し、継続表彰を受けるのが向いていると思います。
実際に断酒会の中には表彰されることで承認欲求・賞賛欲求・優越欲求などが満たされる喜び(精神的快感)で継続を成功させている人もいます。



(僕自身はかつて地元の断酒会に参加していた頃、そういった人の表彰の喜びの挨拶で「こんなに断酒を褒めてくれる所(人)ない」とか「これがあるから断酒会は素晴らしいんです」「みなさんも表彰の喜びに目覚めたら断酒止められなくなりますから」といった発言や、新人であったが故の僕を名指しでの応援や初心回帰の説教されることも多くありましたが、アルコール依存症に対して何が問題であるのか?回復のために本当に必要なのは何なのか?考えてるところが他の人とは全く違っていたので、全くついていけずストレスでした。
それゆえに、何かしらの宗教に盲信した信者の様に思えてしまったり、『あなたにそういった欲求があったからそれが満たされているだけで、みんながそれでうまくいくわけではないから、それこそが真理のように力説されてもなあ』と思えてしまったり、会の終了後に捉まって力説されようものなら長くてウザくて「僕にはあなたのような欲求がないんで表彰されても正直嬉しさもないし挨拶も面倒だし、毎回辞退を出してるんですけど、受け入れてもらえないんですけどね」と本音言ってしまったりしていました。
当時はまだ「人は人でいいじゃないか」「その人がそう思うのならいいじゃないか」と聞き流せませんでした。)


正直言えば僕自身は、日数計算もアプリもその人がやりたいのであれば結果どうなろうと一度やってみればいいと思っています。

ただ、それでスリップして逆戻りしてしまった人には、日数計算すら止めた方が良いと薦めます。
あなたにとってはまずやることが違うだろうからと。

ただ、本当に回復のためには本質はそこ(日数や年数)ではないと思っています。

アルコール依存症である事が問題なのではなく、どうしてアルコール依存症になったのか?が問題であるからです。


今回は「○日断酒できたのにスリップしてしまったんですがどうしてだと思いますか?どうしたらいいですか?」といった質問をたまにX(旧Twitter)で頂いていたので記事にしてみました。

断酒継続者も人それぞれ、何で断酒継続できているのかは違いがあります。
断酒継続によって何が満たされているのかも違います。
断酒のためにしている事が、どうしてその人の成功に繋がっているのか?
その理由も人それぞれ違います。
断酒の目的も人それぞれ違いがあります。

回復のためには『絶対断酒』という考えが全般的にあります。
それに対し、僕の様に断酒なんてものは手段の一つであって回復法ではないと考える人もいます。
更に言えば、僕は『絶対断酒』という考えそのものが回復を妨げていて、本当の問題から目を背けさせてしまう妄想論だと考えています。

何をするのが自分の回復に繋がるのかは人それぞれ違うでしょう。

でも両極の意見をどちらもいったん受け入れて、自分に合った回復法を見出していってほしいと思います。

ただ、僕はこれだけは絶対であって嘘もつかない事だと自信を持って言えることがあります。
それは、アルコール依存症になる程までにお酒に依存する事になっていった何か(ストレス)、それこそが本当の問題だという事です。


余談です。

断酒継続何十年の人であろうと、そこに対する執着(ストレス、お酒への依存心)の消えていない人はいつまで経っても当時の思いを消せないままでいます。

何十年経とうと、「今でも飲みたいと」言う素直な人も中にはいます。

ですが、こういった人も多いです。
虚栄心が強いために口では何と言っていようと、お酒に対する依存心・執着心が発言の端々に表れている人(地酒の話、どの酒が・どんな飲み方が美味しかった、今でものど越しは忘れられない・覚えている、身体に染み渡る感覚が・・・などの発言がある人)や、依存症という病気のせいにしていたりお酒のせいにしている人です。
悪者を作る事で自分から逃げているために、ずっと消えないストレスと隠した飲酒欲求を抱え続けている人達です。
そういった人ほど、自分の弱さを見せないために口がうまいので発言力が強かったりします。
その半面で、そんな自分の発言通りの自分を演じ続けなければならなくなり、ストレスを自分で増やして、またそれを隠し通さなければならなくなっていきます。
自分を尊敬してくる人達を糧として虚栄心が満たさる反面、本音のバレる不安や自分作りのストレスで苦しんでいます。
それで余計にスリップなんてかっこ悪くて出来なくなるので必死に自助グループに参加して紛らわしている人もいます。
新人に対して最初から大歓迎の態度で急接近してきたり、それでいて「断酒を舐めるな」「依存症を舐めるな」「初心を忘れるな」「毎日が初日だと思え」など厳しいこと言ったりするのもこういったタイプの人です。

僕の記事を読んでくれる人達には、そんな人生を歩んでほしくないと思います。
自分は自分の回復への道を突き進んでほしいと思います。


今回は以上です。

参考にして頂けたら幸いです。

あなたの断酒が楽になりますように。
ご家族様の消えない苦しみが少しでも軽くなりますように。

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