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優しい出品者に代わって参考書に宿る無念を勝手に晴らす

私はよく資格試験を受ける。
動機は、会社に薦められたり、単純に自分が欲しいから、だったり。
試験勉強には参考書が欠かせない。
でも参考書って結構高くて、新品を買うのをためらう。
そういうときにメルカリは役に立つ。

資格試験はたいてい年1回とか決まった時期で行われる。
目当ての参考書を探すときに一番いいのは試験の結果発表後だ。
このタイミングは出品数も増えるし目当てのものが手に入りやすい。

参考書は、別にきれいでなくていい。
前に使っていた人の痕跡が残っていても気にしない。
何か書いてあっても全然いい。
私も書き込むことがあるのだから。
どうせ私が使い終わったらまた手放すのだ。

むしろいろいろ書き込んであってほしい。

それは理由が二つある。
一つは、使い込んでいる方が値段が安いから。
もう一つは、他人の思考に触れられるからだ。

参考書が届いたら、前の持ち主はどういう勉強をしたのかなと思いながら眺める。
勉強方法は人によってさまざまなのがいい。
蛍光ペンでやたら線を引くタイプの人。
ここ大事!とか書き込む人。
計算途中の式を補足する人。
自分で理解するためにどういう方法をとるのか、書き込んでいる内容を通してその人の頭の中が少しだけ見えたりする。

参考書の書き込みを見ながら
「いや、そこは大事じゃないだろう」とか
「この人センスある」とか
勝手に品評する。
この人は受かったのだろうか、それとも、、みたいな想像も面白い。
悪趣味なのはわかっている。

参考書は、必ずしも受かった人が出品しているとは限らない。もしかしたら途中で諦めて売ってしまった参考書かもしれない。

先日買った参考書には、勉強頑張ってください!とメモが入っていた。
いままでそんなもの見たことなかったので少しうれしくなって、その人のことを想像した。

前の持ち主はなんらかの理由で資格取得を断念して手放した。
それが私の手元に偶然渡ってきた。
メモの意味は「(私の代わりに)勉強頑張ってください!」なのだと。

「諦めたあなたの代わりに私がリベンジします。」
と勝手に無念を晴らしてやることにした。
モチベーションが上がる気がした。

無事に見知らぬ誰かの無念を晴らした後は私も出品する。
誰かに品評されるかも。私の書き込みの評価は如何に。
「勉強頑張ってください」のメモを入れれば評価点が上がるだろうか。

#メルカリで見つけたもの


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