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日本一の子会社編

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怪人ガンさん再登場

怪人ガンさん再登場

それは20年ぶりの再会でした。30歳でモスクワ駐在員を卒業して、本社の輸出部に帰任しましたが、そのとき私のロシア語教師にして、当社の嘱託を務めていたガンさんとは別れました。その後風の便りに、当社の嘱託を辞して自由気ままなロシア語専門家として日本に帰国し、大阪で暮らしていることは分かっていました。

インドネシアから51歳で大阪府高槻市に本社のある包装フィルムの会社に帰ってきた私は、営業部隊の大阪事

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アメニティー・シビル・エンジニアリング(ACE)事業って何?

アメニティー・シビル・エンジニアリング(ACE)事業って何?

3年ぶりに本社に復帰した私を待っていたのは、新事業部門でした。つまり繊維事業、プラスチック事業のような本業から離れたところで新しく事業を起こすわけですから、社内の誰がやっても初めての挑戦ということになります。今回はその中のACE事業でした。

「アメニティー=快適な」、「シビル・エンジニアリング=土木工事」と直訳しても何をするのか良くわかりません。もともと土木工事を施工する能力は当社内にはありませ

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ピラミッド クライマーズ

ピラミッド クライマーズ

インドネシアに7年間出向して、無邪気に頑張った私に本社が出した辞令で、鈍い私にも判りました。つまりこの会社が運営されているルールは実は昔からあったのですが、その方面に鈍感な私は今頃気がついたのでした。
当社の覇権は、生産技術系、工務技術系、研究開発系で争われていて、補欠として営業系、総務経理系、加工技術系、経営企画系がありました。人事採用も新卒採用は、120人理科系、80人文科系というのが私の同期

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修羅場

修羅場

絶対にこの会社を業界No1の会社にすると決めましたが、内容を検討するにつれて容易ではないことが判ってきました。当社は売上げおよび利益はいずれも業界3位で東洋紡フィルム部門と3位の座を賭けて争っていました。
一位は、二村化学。二位は、東セロ(旧東洋セロファン)。食品包装フィルムの業界はセロファンメーカーから始まっています。私の会社も旧大日本セロファンを買収して子会社化したものです。
食品包装フィルム

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