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同性愛者として家族を持つ幸福

2024年12月12日。
同性間の婚姻を認めないことは日本国憲法に反する、福岡高裁でも違憲判決が出ました。
高裁レベルの違憲判決はこれで3例目。地裁の段階でもすでにたくさんの違憲判決が出ていました。

「結婚の自由をすべての人に」をスローガンに、日本全国の原告と弁護団の方々は、政府に対してはもちろん、国会議員や地方議員、周囲の方々に理解と応援を求めながら、6年もの間婚姻の平等を訴え続けてこられました。
その地道な活動が結実し、今回の判決はより踏み込んだ内容、新しい視点が描かれていました。

「家族を創設したいという幸福追求の願望は男女と同性とで何ら変わりがない」

婚姻を異性間のみに限定し同性カップルを排除する規定は、「同性の者を伴侶として選択する者の幸福追求権に対する侵害だ」

これまで認められてきた、14条「法の下の平等」違反、24条「個人の尊厳に立脚した婚姻法」違反、それらに加えて憲法13条「幸福追求権」に対する違反が新たに認められました。

判決文こちらで読めます。
全文はこちら

同性愛者が同性愛者として家族を持つことを日本国憲法は認めている。
他の人々と同様に、結婚して幸福になる権利がある、同性愛者であっても、自分らしく幸せな家庭を築く喜びを追求していい、そう言っている。

画期的な判決です。
素直にびっくりしました。
20年、10年前なら考えられないことです。

僕には12年くらい付き合っている相方がいるのですが、最近振り返ることがあり、なんで結婚もできないのに関係を続けているのか、自分でも少し疑問に思った。
出会った当時は家族へのカミングアウトも一生しないつもりだったし、同性婚とかそれ以前の状態で、完全に二人だけのクローゼットな世界に閉じ込められたような感じ。
外部との接点がまったくなくて、何も二人の間柄を証明するものがない。いつ終わってしまうのか、ビクビクしながら生きていた。

でも思い返すと、僕は早い段階からずっと一緒にいたいと思っていた。
それでその感情を言葉にして伝えていた。
結婚したいと男女なら口にするんだろうけど、そんなこと馬鹿げてるし、何と言ってたかな。
普通に、一緒にいようとか、僕らはもう家族だから、とか、一生幸せにする、とか。
そんなことを真剣な振りをして伝えていた。
なぜそうしてきたかというと、失いたくなかったから。無理やり繋ぎ止めてきた。家族になれるわけないと分かっていたから、相手と自分にただ暗示をかけるしかなかったんですね。
僕のその技が効いたのか、紆余曲折あったけども、相方とはたぶんもう壊れることがない関係になってしまった。

だから今、僕は彼のことを明確に家族だと思っている。
それは法律がどうとか、結婚するとか、誰かの承認が必要なことではそもそも無い。
しかし、結婚して法的に家族を持つことで世間に認められることが出来るならば、今後の二人の人生の景色はまったく変わってくるだろう。
死ぬまでにそれを見せてあげられるか分からないけれど、僕の次の世代、若い人々の未来は幸福であってほしいな。

ちょっと思い出話から言いたかったのは、僕と相方とは自然とパートナーになったわけでない、ということ。
ずっと一緒にいたかったから、家族になりたかったから、無理やり相手と自分に暗示をかけて、何にも実ることのない関係を意地で保持し続けてきたからです。
つまり僕の意志による選択。相方は僕のわがままにただ付き合ってくれているだけ。

例えば思うのは、結婚という制度がなかったら、男女の人々は結婚するのだろうか?
何にもない状態でも、誰かと家族を持って、共に暮らして、子どもを産んで、一生を添い遂げるだろうか?
結婚があるから結婚するのではないだろうか?
自然になーんにも考えもせずに生まれる関係ではなく、結婚という制度があるからこそ、自由意志による関係性の確認があり、覚悟や責任、そして幸福、同時に別離や悲しみがあるのではないだろうか?

以前Twitterで知り合った保守の姐さんに、ゲイなんて3ヶ月で別れる、だからがんばってね〜とクソみたいな嫌味を言われたが、
そりゃ結婚という選択肢がそもそも無いのだから、関係性についてその都度自省して自分らで作り上げていくしかない訳で、
そのような未来が描けなかった僕より上の世代は特に、マイノリティーとしての幸福の形が今とは違いより限定されざるを得なかったのだろう。

これから確実に婚姻の平等は実現される。
問題は時期だけで、この流れはもはや止めることなど不可能。
早ければ早い方がよい。だから僕もこれを書いている。
他人事のように暮らしているそこらへんにいるゲイの人々だって、未来は事実確実に変わる。
他のみんなと同じように幸福を追求していいんだよ。同性愛者として家族を持ちたいと願うことはエゴじゃない。自分らしく人生を歩んでいいんだよ。だって日本の憲法がそれを尊重してくれているんだから。社会が皆同じ仲間だと言ってくれているんだから。

もちろん何を幸せと感じるかは人それぞれ、ゴール?いや目的?手段の目的化?幸せ=結婚になるのかはわからないけれど、意識は変わる。
結婚するために、家族を持つために、共に幸福になるために、出会いを始めることが普通になる。
結婚相談所だって変わる。
広大なブルーオーシャンだ。
そして離婚相談所も変わることだろう。LOL

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