脊椎圧迫骨折による腰痛
こんにちは!腰痛マガジンメンバーのこじろう(@reha_spine)です。
今回は、高齢者に代表される腰痛の原因でもある「脊椎圧迫骨折」をテーマにまとめていきたいと思います。
整形疾患のリハビリに関わる方であれば一度は担当された方が多いと思います。そして圧迫骨折の保存的治療においては医師の指示によりコルセット完成後に離床し、下肢筋力強化や歩行訓練、ADL訓練などを行い退院を目指していくと思います。
しかし、圧迫骨折の重症度を考慮し、患者指導やリハビリを提供できているでしょうか?
今回は特に圧迫骨折の画像所見からわかる重症度の分類や疼痛メカニズムなどについてまとめていきたいと思います。
以下のような方には特にオススメな記事となっております!
✔︎ 圧迫骨折について今まで深く学んだ機会がなかった方
✔︎ 圧迫骨折患者の画像のチェックポイントが分からない方
✔︎圧迫骨折においての疼痛メカニズムを理解したい方
では今回の内容に移っていきましょう!!
▶︎脊椎圧迫骨折と骨粗鬆症
脊椎圧迫骨折は、外傷性や骨粗鬆症性のものがあります。
骨粗鬆症患者は日本では約1280万人と推定されています。そして、骨粗鬆症に伴う脆弱性骨折は、脊椎椎体、大腿骨近位部、橈骨遠位端、上腕骨近位部となりますが、この中でも最も頻度が高いのが脊椎椎体となります。
骨粗鬆症は世界保健機構(WHO)により「骨量の減少と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が高まり骨折のリスクが増大することを特徴とする疾患」と定義されています。1)
では骨量の減少にはどのような原因があるのでしょうか?
【低骨量を呈する疾患】2)
❶原発性骨粗鬆症 ❷続発性骨粗鬆症 ❸その他の疾患、の3つに分類されます。
❶原発性骨粗鬆症
✔︎閉経後骨粗鬆症
✔︎男性骨粗鬆症
✔︎特発性骨粗鬆症(妊娠後骨粗鬆症など)
❷続発性骨粗鬆症
【内分泌性】
✔︎副甲状腺機能亢進症
✔︎甲状腺機能亢進症
✔︎性腺機能不全
✔︎クッシング症候群
【栄養性】
✔︎吸収不良症候群、胃切除後
✔︎神経性食欲不振症
✔︎ビタミンAまたはD過剰
✔︎ビタミンC欠乏症
【薬物】
✔︎ステロイド薬
✔︎性ホルモン低下療法治療薬
✔︎SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
✔︎その他の薬物(ワルファリン、メトトレキサート、ヘパリンなど)
【不動性】
✔︎全身性(臥床安静、廃用症候群、対麻痺、宇宙旅行)
✔︎局所性(骨折後など)
【先天性】
✔︎骨形成不全症
✔︎マルファン症候群
【その他】
✔︎関節リウマチ
✔︎糖尿病
✔︎慢性腎臓病
✔︎肝疾患
✔︎アルコール依存症
❸その他の疾患
✔︎各種の骨軟化症
✔︎悪性腫瘍の骨転移
✔︎多発性骨髄腫
✔︎脊椎カリエス
✔︎化膿性脊椎炎
▶︎脊椎圧迫骨折の症状
一般的には骨折部位の激痛による体動困難や腰背部痛を主訴としますが、疼痛が軽度であることも少なくありません。
急性期では、安静臥床時の疼痛消失、体動時の激しい腰背部痛が特徴的になります。特に臥位から座位への起居動作で強い疼痛が出現します。また、骨折部への剪断力が比較的少ない立位では疼痛が軽減し歩行可能となるケースもあります。
急性期の疼痛では損傷椎体の骨膜刺激性の疼痛や周囲への炎症が波及することによる疼痛が中心となります。
慢性期の疼痛の特徴としては、骨折部の偽関節などが認められる場合には、不安定性が誘因となる体動時の激しい疼痛や遅発神経麻痺を生じることもあります。その他では、後弯変形などの抗重力位による腰背筋への負荷増大が原因となる慢性的な筋・筋膜性の疼痛などがあります。3)
骨折により円背や後弯変形が進行すると、心肺機能の低下、胸腹部の圧迫による逆流性食道炎なども引き起こす可能性があります。
▶︎疼痛再現性評価
圧迫骨折での評価の1つに叩打痛があります。この叩打痛ですが座位で評価されているのをよく見かけないでしょうか?ここでは叩打痛を評価する際の注意点について説明していきます!
ここから先は
実践!ゼロから学べるLowBackPain
本noteマガジンはベテランの腰痛治療のスペシャリスト(理学療法士)3名が腰痛に特化した機能解剖・評価・治療などを実践に生きる知識・技術と…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?