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中学二年生で決意(後編)

こんにちは 清秀です。

さて、前回のつづき後編です。

この仕事したいのか?

と聞いてくれた師匠にすっかりその気になりまして、次も催事の予定が他の百貨店さんであると聞き、後日伺おうと思っておりました。

しかし…日程を聞いてはいたのですが、正確に把握しておらず、伺った時には、既に催事は終わっており。お会いする事はできませんでした。

さらに後日、教えて頂いた工房の方にお電話して、工房の見学をさせて頂ける事になりました。

今、思えばですけど、ここまで出来るのは、かなりのレアケースかと思います。

ぶっちゃけですけど、雑誌やテレビの取材ならまだしも、単なる見学ですよ。

皆さんも、お勤めの会社に一般の人が見学させて下さいって来たら正直面倒じゃないですか?

この辺りも師匠の粋な職人を感じました。

私は母から

「職人の世界は厳しいから、下手したら中学卒業から住み込みでお給料無しとかもあるかもしれないよ」

「それでもあんた出来るの?学校だって遅刻多いのに…」

と、言われましたが、なんの根拠も自身も無かったのですが、やるしかないと思っておりました。

しかし師匠と話していると、
「せめて高校は出てきなさい」といわれ、若干肩透かしを食らった感じでしたが、高校さえ卒業すれば、「江戸切子職人になれるんだと。」また単純に思い高校へ進学しました。

高校生活はまた別の機会に深堀しますね。

高校は出て来いと言われ、

「私は高校は卒業さえすれば良いんだ」
と思い。成績や内申書はろくに気にせずとにかく卒業する事しか考えたいませんでした。

高校三年生になって進路相談の時に先生から
「どうするんだ?」と聞かれ

即答で「就職します。」と答えました。

「やりたい事は決まっているのか?」ときかれ、
「俺のやりたい事は学校に募集なんて来ないよ。」と返した所

先生には
「やりたい事決まってるなら公欠とって決めてこい」といわれ、4年ぶりに師匠に連絡し、高校を来年卒業するので、就職させて頂きたい旨お伝えすると…

師匠はすっかり忘れてました!

ですが、お話ししていくうちに思い出してくれて、また改めて工房の見学に行く約束をして、工房に伺いました。

工房でお話しして、「早いなー」などお話しして、正直。師匠も少し困った様子ではありました。

当時は丁度、バブルもはじけ、景気は下向き。工房にも当時で5人いましたので、特に必要と言う訳ではなかったようです。

しかし、「約束だから仕方ない。雇ってあげるよ。」そういって下さいました
ここがポイントですね!粋な職人を感じました!

今から思えばですが、弟子入りに必要な事はここです
顔なじみになること。ここで信用がたまるので弟子にしてもらいやすくはなります。

いきなり高校卒業するので来年から弟子にして下さいと行ったところでほぼ100%断られていたと思います。


そして、とりあえず、夏休みでも良いから少しアルバイトみたいな感じで何日か来てみると良いと言われ、夏休みに数日通う事にしました。

夏休みに数日通い、練習と少しのお手伝い。アルバイト代も少しいただきました。

とりあえず夏休みは、それで終え、また冬休みに来れたら来ますとお伝えし、冬休みへ…
しかし、よく考えたら冬休みは期間は短く行ける日にちがなく、結局冬休みはいけませんでした。

そして、いざ卒業し、師匠に改めて連絡すると
「冬休み来なかったから、もう来ないかと思ってたよ」

そう言われましたが、無事4月1日から就職(弟子入り)して江戸切子職人への道が始まった訳です。

正直。弟子時代は本当にキツかったです。今で言えばブラック企業ですよ
職人の世界はそれが当たり前ですし。そこに不満を抱いた事はありません。

これが良いか悪いかではないですが、弟子時代の事はまた、改めてどこかで書けたらと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。


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