ぼくのランニング遍歴⑤(最終回) 〜ジャカルタマラソン編〜
ぼくがランニングをするようになってから約1年後、2019年10月27日開催のジャカルタマラソンに参加した。
記念すべきフルマラソンデビューである。
フルトレイルランの大会には出場経験があるが、ロードマラソンとして42kmを走るのは初めてである。
我ながら、挑戦する順番がおかしい。
フルトレイルでしっかり完走できているので、フルマラソンもゴールまで辿り着ける自信はあったが、問題は文字通り完「走」できるかであった。
トレイルランは「ラン」と言いながら、走っている距離はせいぜい数キロしかなかった。コースが苛烈を極めるためほとんど歩いていたが、道路がきれいに舗装された都市マラソンであれば最後まで走り切ることは可能である。
だからぼくは、ジャカルタマラソンを迎えるにあたって、減速してもいいから最後まで走り切ることを目標に掲げた。その上で、目標タイムは5時間に設定した。
ランニングを始めてすぐに参加したハーフマラソンのタイムが2時間だったので、無理なタイム設定ではない。
キロ7分のペースを維持できれば目標を達成できる。
ジャカルタに詳しい人にしか伝わらないが、コースはこんな感じだ。
ブンカルノ競技場をスタートしてひたすら北上、コタ地区で折り返してモナスの脇を通って南下し、ぐるっと回って競技場に帰ってくる。
ランニングTシャツもゲット。
照明の影響で落ち着いたえんじ色に見えるが、実際は派手なピンク色だ。
前にも書いたが、ジャカルタのマラソン大会は朝が早い。夜が開ける前に開幕する。
ジャカルタマラソンは4時半のスタートだった。
ぼくは朝が苦手だが、昼間の殺人的な暑さの中を走ることを考えると、早起きする方がよっぽどマシだ。
とはいえ、ゴールする頃にはすっかり太陽が昇ってしまうのだが。
まだまだ深夜とも言える時刻に、ブンカルノ競技場に着く。
2018年のアジア大会でメインスタジアムとなった競技場で、綺麗にライトアップされていた。
スタート20分前くらいから人が集まる。
マイクを握ったDJのような人が軽妙なトークで場を盛り上げる。
そして、みんなでインドネシア国歌を歌って、大会が幕を開ける。
都市部を駆け抜けるコースなので、観光名所のそばを走ることができる。
カテドラルや
イスティクラルモスクなど。
とはいえ、ジャカルタ自体観光名所が少ないので、あまり楽しくはない。
モスクの写真を見てもらえばわかるが、走っているそばを車がガンガン通る。
大会の歴史が浅かったり、ジャカルタが渋滞都市ということもあったりして、大通りの交通整理はユルユルである。
真っ黒な排気ガスを撒き散らすオンボロ大型バスが、すぐそばを走り抜けたりする。
インドネシアでは細かいことを気にしてはいけない。
どんな状況も話のネタとして楽しむことが大切なのだ。
さて、そんなこんなで記録はこんな感じ。
5時間きれず!
ざっくり説明すると、
〜20km キロ6分半
21〜31km キロ7分台
32〜42km キロ10分
つまりハーフまでは順調だったが、だんだん減速し、残り10kmは完全に歩いてしまったということだ。
「歩かない」「5時間を切る」という目標をどちらも達成することができずに、情けない限りである。
目標が達成できなかった言い訳になってしまうが、日本で開催される都市マラソンと比べると、ジャカルタマラソンは格段に難易度の高い大会だと思う。
理由は以下の2つ。
①高温多湿
夜明け前にスタートするとはいえ、走っている途中に日は昇り、気温はグングン上昇する。気温は30℃前後になり、しかも湿度が高い。
熱中症のリスクと隣り合わせであり、マラソン向きの気候ではない。
②空気が悪い
渋滞都市のジャカルタは大気汚染が進んでいる。インドや中国ほどではないが、いつも大気の見通しが悪い。気管支へのダメージは深刻だ。
ということで、日本の涼しい時期に開催されるマラソン大会なら、4時間半くらいで走れるかも?と甘い期待を抱いている。
ジャカルタ在住中に参加したマラソンとトレイルランの大会を全て紹介したところで、「ぼくのランニング遍歴」の連載は終了にしたいと思う。
インドネシア在住中にランニングを始めたということで、インドネシアの大会にしか出場したことがない。
ぼくは全く練習熱心ではないが、高温多湿という厳しい気候で尚且つ運営がガバガバな大会に出場していたことで、ランナーとしてのタフさは鍛えられたと思う。
日本でもマラソン大会に出場したいと考えているが、「物足りないなあ」と思ってしまうのかもしれない。
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