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【映画鑑賞記録】ファスビンダー

早稲田松竹で「天使の影」と「不安は魂を食いつくす」の二本立てを鑑賞。早稲田松竹もいつの間にか座席指定制になってた。最後列の先を確保。

一本目は「天使の影」。ファスビンダーの戯曲をダニエル・シュミットが監督して映画化した作品。撮影はレナート・ベルタ。エリック・ロメールの「満月の夜」を観たときにその映像の美しさに魅せられたことを覚えている。なのでカメラマン視点での興味から鑑賞したのだが、最後列に座ったのがまずかった。字幕も読めない。こんなに視力落ちてたのか。。。終始前のめりの姿勢で目を凝らしていたので疲れた。

ファスビンダー演じる粗野なヒモ男のため、街角に立つ落ちぶれた娼婦リリーが、ユダヤ人の富豪の愛人となる。そこには隠された策略があり、リリーもヒモの男も破滅に導かれるという話。反ユダヤ思想が強い、という評価が目立つけれど、所謂悪役の人種がユダヤ人であるというだけじゃないかな、と僕は感じた。ドイツ周辺国の人が見たら感じる何か歴史的な背景があるのかもしれないが。映像の美しさを存分に堪能できなかったことが悔やまれる。

二本目はスクリーンに近い座席に変更。ファスビンダー監督の「不安は魂を食いつくす」。初老のドイツ人女性が、遥かに年下の外国人労働者と結婚する。不当に差別を受けている移民との結婚は周囲に祝福されることはなかった。そのことを最初は意に介さない様子だった主人公の気持ちも少しずつ折れ始め・・・。アキ・カウリスマキはこの作品に強く影響されているらしい。映像の色彩やライティング、表情や動きに乏しいキャラクター描写、カウリスマキのルーツはここにあったのか。カウリスマキ作品も改めて見直してみたくなった。


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