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物語に命を吹き込む「たとえ話」のできる人に
私が尊敬する職業のトップ2は、小説家とシンガーソングライターです。
今日は小説家の話を。
おもしろい物語を想起できるとか、独特の感覚をもちながら説得力のある描写ができるとか、それを最後まで書き続けられるとか、
やはり天性の才をもった人なんだなあと思わされることしきりですが、
さすがと感心するのは、皆さん国語力の基礎がしっかりしていることです。
もちろん悪文と言われる人もいるし、編集者・校閲者のチェックが入って出版するのだけど、
編集者がバババーッと赤を入れるということはないと聞きます。
小説家は文体も作品なので、文字ひとつも疎かにはしません。
修正がある場合は、編集者から指摘された箇所を小説家の手でやり直すことが多いようです。
きっと学生時代、国語で苦労したことはない人たちなのでしょう。
一生懸命勉強をして得意だったというより、普段から本を読んでいるため、授業を聞かなくても点数がとれた、というタイプなのでは。
国語力を上げるのは、作品を切り貼りした国語の教科書ではなく、幅広い作品✖読書の積算量で決まるのですから。
きちんとした文法がベースにあるうえで、たとえ話がうまいのも小説家の特徴です。
村山由佳さんは、お母さんから文章修行として、見たものすべてを何かにたとえる練習をしていたといいます。
1本の木を見た時、学者なら緻密な観察と考察がものを言いますが、
小説家は、それを人間にたとえたり人生にたとえたりして、読者に新しい世界を見せます。
私はライターであり小説家でないのだから、わかりやすく書くことが一番で、「うまい表現」やオチを狙わないほうがいいと言われることもあります。
でもやっぱり、たとえ話のうまい使い手になりたい。アガサ・クリスティーのような。
彼女の作品にはいつも膝を打つような、ユーモアたっぷりのたとえ話で溢れています。
そこらへんに注目して、いろいろ読んでいこうではないですか。
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