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夏休みと石井桃子さんの言葉

「子どもたちよ 子ども時代をしっかりと たのしんでください 大人になってから 老人になってから あなたを支えてくれるのは 子ども時代のあなたです」


というのは石井桃子さんの言葉だそうです。


石井桃子さんは、児童文学作家・翻訳家で、今の人たちのことはわからないけれど、私同様にある年代以上の方々には馴染みのあるお名前の方だろうと思う。

くまのプーさん、トムソーヤーの冒険、うさこちゃんシリーズ、ひゃくまんびきのねこ、ピーターラビット、、、。

数多くの翻訳を手掛けられてこられて、私はその翻訳された本をいくつも読んで育ったのでした。


誰しもがこども時代を経て大人になっているということを、その時代がその人をつくる大きな影響のある時期なのだということを、本当に考えておられた方なのだろうと想像する。


甘い記憶はキャンディのように残り、その人をずっと心の底から支えてくれるものになると思っている。

なんでもないことでいい。
青い空を白い雲を眺めたこと。
かき氷。スイカ。
やらなきゃなぁと思っている宿題の本。
扇風機にあーーと声を出してみたり。
山の風。海の匂い。
都会の熱風。プールのきらめき。
浮き輪の手触り。
とんぼの羽。ちょうちょの色。

どれだけでも時間があった、あの頃の夏。

同時に。
楽しいはずのこども時代に、苦しく、重く、身を切られるような記憶が残る時間を持つこともある。とても悲しいことだけれど。

困ったことにこどもの頃というのは経験が少ないもので、それがどれほど辛く重いことなのかどれだけ苦しいと感じていいことなのかわからないままに過ぎてしまって、ずいぶんとたった頃に心の深いところにそれらがいたことに気づいたりする。

そこからは戸惑いと、謎解きと、納得と、答え合わせと、時に再生のような時間がやってくるのだけれど。


なるべくなら、できるだけ、誰もが、甘くて優しくてあっという間に美しく溶けてしまうその余韻をキャンディのように思い出すような、
そんな、こども時代の夏を過ごしてほしいと思う。

甘い甘い記憶は、思い出さなくとも、その人を支えてくれるものになると、やっぱり思うから。


今年の私の夏は、インプットと、テーマを決めないとりとめのないアウトプット。


今の私の、「こども時代」を過ごす夏。


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