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夏の香り

桃が届いた。

皮を指でつまむとすーっと剥ける。
瑞々しい甘さ。

静かに会話をするような時間が
たまらなく幸せ。


昔、友人が書いた文章に
たまに、1日ゆっくりと時間をかけて生活をする
というのがあって、とても印象的だった。

例えば。
ゆっくりゆっくりコーヒーをいれる。
果物や野菜を丁寧に洗い、一食ずつ味わって食べる。
両手で肌を感じながら化粧水をつける。

普段、流れるように過ぎてしまう時間を
しっかり感じて生活してみる
というもの。

やってみると
あぁ、普段、たいていの時間、『今』に自分がいないんだなぁ、と気がつかされる。

いつも、何かを考えながら、とか、次にやることを考えながら、なんだなぁ、と。

不器用なのに、なんでそんなことになっちゃうの?ひとつひとつ集中すればいいのにね
と笑っちゃうけど
不器用だから、整理することが上手くなくって、あれこれ考えながらになっちゃうのかもしれない。



今年は、意図せずに、静かに過ごす時間を持つことになったので、これを日常にしていこうと思い、春頃からずっと、ほんの少しずつ時間をかけるつもりで生活するようにしてみてる。


たった一瞬の空気の匂いや、一口ずつの味わい、日差しや雨の音を、全身で感じていたこどもの時みたいに。


夏の香り。
桃に鼻を近づけて、すーはー。




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