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「やりたい」と「やる」は全然違う!演出も舞台装置もない一人喋りの「トーキングトゥルース」をやってみて感じたこと

2023年12月に初めて企画した単独トークライブ「トーキングトゥルース」は満員だった。わずか100人キャパとはいえ、舞台袖からぎっしり埋まった客席を見た時には、思わず武者震いしてしまった。ステージに出て行った時に聞いた拍手の音は今もはっきり思い出せる。集まっているのは、自分を見るために来てくれた人たちばかり。いつも客席に向かってマイクで「会場の皆さん、愛してまーす!」と叫ぶプロレスラー棚橋弘至の気持ちが痛いほどわかった。


肝心のトーク内容はお客さんにはどう聞こえたのだろうか?90分の予定が2時間近くに伸びたのは、お客さんの笑い声や反応についつい乗せられてしまったからだ。これぞライブなのだが、終盤は客席の疲れが手に取るようにわかったし、演者はお客さんに合わせても、引っ張られてはいけないことを痛感した。やはり、経験しないとわからないことはたくさんある。公演内容を15分にまとめた動画をネット上に公開したので、この文章を読んでいる人にもぜひ視聴してもらいたい。


会場で集めたアンケートで「いちばん印象に残っている話は何でしょうか?」との問いに対する回答が「狂った大晦日の話」「矢沢さんの話」「YMOの話」「広島から上京する話」「古舘さんとのエピソード」と偏りがなかったのはうれしい。この動画によって、100人にしか目撃されていない自分の表現が認知される可能性が生まれるわけだが、海に流すボトルメールのように思いがけない誰かに届いてくれないだろうか。とにかく、30年前に古舘さんのトーキングブルースを初めて見て以来、「いつかは俺も!」と思っていた、演出も舞台装置もない一人喋りのトークイベントを実現できたという達成感はある。「やりたい」と「やる」では全然違う。

では、トーキングトゥルースの2回目はあるのか?ーーやりたいか、やりたくないかでいえば、間違いなく、やりたい。今回得た経験や反省点を活かして、もっと良いものを作りたいという意欲が沸いているからだ。会場の規模も大きくしたいし、座席だってふっくらしたソファが欲しい。ただし、今の自分の知名度では難しいこともわかっている。初回はご祝儀でチケットを買ってくれた人もいるだろうし、2回目に集客を増やすのは容易ではない。「あいつがやるならチケット買って行ってみるか」と思わせるには、自分の価値を高める作業がもっと必要だと思う。もちろん、高まったと思えた時は絶対やるので期待してほしい。69歳になっても喋りだけで大きな会場にお客さんを集める古舘さんの姿は、僕が目指す道だというのが、今回の体験で得た最大の「トゥルース」なのである。

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改めて、今回会場に足を運んでくださった皆様に心より感謝申し上げます。



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