ママチャリのススメ 前篇
私はママチャリが好きだ。
私の相棒は8段ギアがついているスゲエヤツ。最近はチェーンと虫ゴムを交換し、そのスゴさにますます磨きがかかっている。
でも、ママチャリって名前のごとく「女性が乗るもの」というイメージが強い。ジェンダーフリーがさかんに叫ばれているなか、この呼び方も廃れていくんだろうか。「女性は自転車にでも乗っとけってこと!?」みたいな文句がそろそろ出てきそう。
私はオッサンだがママチャリが大好き。ないと生きていけないくらい。
「ママチャリは女性が乗るもの」というイメージを払しょくし、もっとたくさんの人にも乗ってほしいから、良いところを紹介します。
徒歩より何倍も速い
ロードバイクなど本格的な自転車は車並みのスピードが出るが、ママチャリではそんなスピードはとても無理。
でも、よく考えてほしい。
徒歩よりはずっと速いのですぞ。
人間の長い歴史の中で、車に乗り出したのはほんの最近のこと。ずっと歩きが基本だった。
だから徒歩を基準に速い遅いを決めるべき。誰ですか「ママチャリは遅い」って言った人は? 車と比べるのは不自然なのです。
江戸時代は皆、徒歩だった。金があり急いでいる人は早駕籠(運ぶ人が途中で交代しながら走り続ける)に乗る。
当時、一番早かった早駕籠よりおそらくママチャリは速い。
ママチャリに乗ってる買い物帰りの主婦は、たくさんのことをやり遂げた坂本龍馬や勝海舟よりずっと速く移動しているのである。
ほら速い。
運動になる
ママチャリに乗るのは運動になる。
ジムで高い金払ってインドアサイクルに乗ってる人が結構いるが、それならママチャリに乗ればいい。
景色も変わって気分転換にもなるし、同時に移動もできる。
運動×速い移動=ママチャリ
移動できて健康も維持できるって最高じゃないですか?
気軽に乗れる
ロードレーサーは確かに速いが、あれは移動というより趣味だろう。
速いので安全対策も必要だし、着る服もぴっちぴちのヤツ。ナイスバディの女性が着ればイヤらしい目でも見られるし、ヘルメットをかぶるのも面倒くさい。
しかし、ママチャリは「鍵を外して、じゃあ乗りましょか」という風にとっても気軽。服だって何でもいいし、ヘルメットもいらない。
気軽さで言えば、ママチャリは最強なのである。
渋滞知らず
車のデメリットのひとつに「渋滞」がある。
ママチャリストからすると、車なんてものは異次元の速さだ。
そんな車でも渋滞にハマれば、牛歩並みの遅さになる。しかもイライラする。
「ぷぷぷっ、車乗ってるのに、ママチャリより遅いって……意味わからん」
私は渋滞の横をママチャリでスルスルと駆け抜ける。このときの気分は中々爽快だ。そして、あとで豪快に追い抜かれる。そのくやしさもまた一興。
環境にやさしい
現在レジ袋は、日本では年間300億枚、乳幼児を除いた国民一人あたり約300枚が使用されている。これを原料の石油に換算すると、年間50万キロリットルになる。これは、日本人一人あたり、わずか3リットルに過ぎない。普通車で、30キロメートル分の外出を一日我慢すれば、一年分のレジ袋の節約ができる量なのである。
『レジ袋削減は本当に必要か』より
これを読んだ後は「環境を守らなくちゃ」とか言いつつマイ袋を持参し、”車”で買い物をする人が滑稽に見えて仕方ない。
私はママチャリで買い物に行ったとき、レジ袋を使いまくる。傍から見たら「コイツ環境にやさしくねえな」と思われるかもしれないが、車に乗っている人よりずっと環境にやさしい行動をしているということになる。
まあ、ゴミの問題があるので、使わないに越したことはないけど……
後編に続く
働きたくないんです。