見出し画像

「聞き手本位」はメンドクサイ

「仕事の失敗はコミュニケーションミスが原因」

と、よく言われる。

コミュニケーションがうまくいけば仕事のミスを減らせるということだ。

しかし、それは難しい。

なぜなら指示する人間(上司など)がハッキリとモノを言わないからだ。

「アレ、今週中にしといて」

こんないい加減な指示があるだろうか? 

あるのだ。日本社会ではたくさん。

これは日本の「聞き手本位」の文化が原因。

上司が曖昧な指示を出し、部下が曖昧な理解をしたまま仕事を進め、失敗したとしよう。

どっちが悪いか?

普通に考えて8対2くらいで上司が悪いと思う。ハッキリ言わないんだもん。

しかし、実際は「部下が100%悪い」とされる。

外国では「話し手本位」だから、曖昧な指示で聞き手が失敗してしまうと、話し手にも責任が及ぶ。しかし、日本では「聞き手」の責任になる。

上司からすると非常に楽だ。忙しさや責任逃れを理由に適当な指示をして、部下が失敗しても「なんで曖昧な理解のまま仕事を進めたんだ」「なんで質問しなかったんだ」と部下のせいにできる。

曖昧な理解は曖昧な指示からしか生まれません。

私たちは1しか伝えない上司の命令を、10理解することを求められる。エスパーかワシは。

テレパシーが使えない我々一般人は曖昧な部分を質問して、理解しようとする。上司は機嫌を損ないながらも、答えてくれる。

そして根掘り葉掘り質問してやっと重大な情報が出てくる。それを聞いておかないと100%失敗するような情報だ。

そんな大切なことは最初に言え。「宝を探しに行け」と言って、あとから「あっゴメン、宝の地図持ってたわ」と言ってるようなもん。

商談や酒の席でベラベラ話すのだけが、コミュニケーションスキルじゃない。マネジメントする側においては、部下とのコミュニケーションの方が大事だと思う。

私の元上司は「働き方」などの意識の高い話は長々とするのだが、肝心の仕事の指示はテキトーでやたらと短い。

意識の高い話は本にもネットにも書いてあるからいらないです。「きちんとした指示」がほしいのです。だって、その指示はあなたにしかできないんですから。

質問しても機嫌が悪くなるし、挙句の果てには「自分で考えろ」とか言うし。知らんなら「知らん」でいいし、知ってたら教えてくださいよ。意味がわからん。

「きちんと聞かなかった部下が悪い」なんて言っていたら、いつまでも仕事のミスは減りません。

ちなみにナポレオンはあちこちに戦争をしかけ、やたらと忙しい中、指示はしっかりメモに書いて渡していたらしい。

部下はそのメモ通りにやって失敗したら、ナポレオンは責任をとってくれるのだろう。これが立派な上司のすることだと思う。

とにかく「聞き手本位」の文化は弱者に不利なので、早くなくなってほしいです。

#エッセイ #コミュニケーション #仕事

働きたくないんです。