ママチャリのススメ 後編
金がかからない
ママチャリは金がかからない。
新品だって高くて5万くらいだし、維持費だって注油と空気を入れるくらいでほとんどかからない。
「消費するのは己の脚力のみ」
ママチャリと言って侮るなかれ、呂布が乗ってる赤兎馬、ラオウの黒王号にも引けを取らない、豪傑の乗り物なのである。
人間としての耐久力がつく
ママチャリストは夏は灼熱の太陽にさらされ、冬は肌を引き裂く容赦ない風にさらされる。
それがどうした。
来るならこい。
夏は暑い、冬は寒い。
それが生きるってことだ。
景色が楽しめる(空気、風)
車や電車は景色を楽しむには速すぎる。綺麗な景色もアッと言う間に過ぎ去ってしまう。
その点ママチャリだと、綺麗な景色をしばらく楽しむことができるし、もうしばらく見たいなら、その場で止まればいい。
景色を見るには遅すぎず速すぎず、すごくいい塩梅の乗り物だ。
また、その場の空気や風も感じることができるぞ。
「車でも窓を開けりゃいいじゃねえか」
うるさい。
女性が乗れば魅力的
「男は車」「女は自転車」
そんなイメージは良くないけど、私はママチャリに乗っている女性にはすごく魅力を感じる。
サラサラと流れる髪、すれ違いざまにほのかに香るトリートメントの匂い、伸びた背筋、焦らないその余裕、優雅な感じ……
気持ちが悪いかも知れないけど、私はママチャリの女性はすごくステキだと思うし、ずっと見てたいです。うふふふふふ。
スピードダウンできる
多動力、時短術、速読、効率的な情報収集……
そんな中のスピードダウンってダメなんじゃないの?
と思うかもしれない。
でも、よく考えてほしいのだが、そんな急いで、たくさん動いてどうすんの?
自由な時間が増えましたか? 収入が増えましたか? 大切な交友関係が広がりましたか?
多分、多くの人がそうはなってないと思う。皆の移動が速くなればなるほど、お金と自由な時間がなくなっていく。
スピードアップに欠かせないのが、車、電車、スマホである。ママチャリなんて遅い乗り物は論外だ。
だからこそ、ママチャリに乗る。
一度、ゆっくり移動してみればいいと思う。
「とにかく速く、スピードアップを」という資本家が仕組んだ魔のサイクル(自転車だけに)からしばし、抜け出すことができる。
ゆっくり動けば、無駄なことが見えてくる。本当に大事なものが見えてくると思う。
「人生速けりゃいいってもんじゃない。たくさん動けばいいってもんじゃない」
そんなことも教えてくれる、デカルトもびっくりの哲学的な乗り物なのである。
★★★
ママチャリはすごい。すごすぎる。
豊田社長やゴーン元社長には申し訳ないが、車なんて私には必要ない。
ママチャリが最強だと私は声を大にして言いたいのです。
皆さんもレッツ、ママチャリ。
働きたくないんです。