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「切腹を命ずる!」 私は新撰組に切腹を言い渡された。世間の流れで、なんとなく尊王攘夷運動に乗った結果がコレだ。 私は友達についてきて長州から京都に来た。皆は「夷狄をぶっ殺せ」とか言ってたけど、私はそんなことをするつもりは毛頭なかった。ちょっと他の人と一緒にカッコつけたかっただけだ。 なのに、京都に着くや否や新撰組に見つかり、友達は一番隊隊長の沖田総司とかいうやつに殺された。私は抵抗しなかったからか、殺されずには済んだが結局切腹しないといけない。 なにもしてい
私は熊本城の石垣を見ながら、つぶやいた。 「『NINJA』のそり立つ壁にそっくりだ……」 そのつぶやきも周りの声にかき消された。うしろから多くの兵士が叫びつつ、石垣に向かって走っている。石垣の上からは雨のように矢が降り注いでくる。 今は西南戦争の真っただ中だ。私は薩摩の兵として、熊本城に立てこもった新政府軍を相手に戦っている。 さきほど私がつぶやいた『NINJA』だが、これはテレビ番組のこと。運動神経に自信のある参加者が8つの障害物のあるコースを乗り越え、ゴール
魔王退治に出発した勇者一行。問題なく冒険は進んでいましたが、どうやら転職ができる『マーダ神殿』の前で4人は揉めているようです。 「お前ら、何回も言わせるな!」勇者は3人に怒鳴りました。「絶対2人は転職しないといけないんだよ!」 「ボクは絶対無理」戦士Aが言いました。 「私も無理です」戦士Bが言いました。 「オレも無理!」戦士Cが言いました。 勇者はブチ切れたようです。「わがまま言うな! 勇者1人、戦士3人ってどんなパーティなんだよ!」 事の発端は物理攻撃
「今日はいい風が吹いてる。記録が伸びそうだな」トオルは屈伸しながら、隣でアキレス腱を伸ばしているタクヤに言った。「まあ、記録なんてどうでもいいんだけどな」 「トオルは日本記録持ってるから、皆期待してんじゃないか。82mなんて記録、そうは出ねえよ。見ろ、お前のライバルがお出ましだ」タクヤが言い、スタート位置に目線を向けた。 そこにはハンググライダーを持ち、助走に入ろうとしている男がいた。180cmを優に超えた巨体だ。 「ハンググライダー幅跳びなんて、背が小さくて、
「人をやさしくする呪文…」 オレは説明書を読みながらつぶやいた。 昨日、飲み会帰りに怪しい呪文屋を見つけた。安かったのと、酔いのせいもあり、ひとつ買ってしまったのだった。 怪し過ぎるが、物は試しだ。とりあえず鬼のような部長に使ってみよう。 朝礼終わりにさっそく唱えてみた。今日は月に1回の面談がある。いつもは怒られてばかりだけど、これでマシになるハズだ。呪文がしっかり効いていれば。 部長に呼び出され、会議室へ。すると部長は開口一番、言った。「田中、お前ま