情報社会のサバイバル術：多角的な視点で真実を捉える【忍者の技と知恵 #364】

物事には複数の視点があり、ある人から見たら良いことでも、ある人から見たら悪いことということがあります。さらには、全体を見たら良いことなのに、一部のみを切り取って悪いことのように見せるという悪いメディアによる情報発信もあります。

忍者は戦が始まる直前から身分を隠して敵将に仕え、一生懸命に働いて信用を得て、ここぞというときに裏切って敵将を倒す謀略「袋翻ふくろがえしの術」で戦を勝利に導きます。

敵国に仕官でき、敵将の指示で任務を遂行する忍者は、味方陣地に潜入するたびに味方将軍に敵の情報を報告します。任務遂行で成果を上げて信用を得ておきながら、味方にも情報を伝えて働く。袋翻ふくろがえしの術の忍者には敵味方二つの視点があります。

表面だけ、一部分だけに捉われず、全体を見て、裏を推測して真実を捉えることが情報化社会を生き抜くサバイバル術ではないでしょうか？

敵の任務で味方陣地に潜入するたびに報告

図解 万川集海 第三帖「陽忍編（上）」

図解 万川集海 第一帖「序・正心編」（無料版：2023再編集）

万川集海とは
『万川集海（ばんせんしゅうかい／まんせんしゅうかい）』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。