情報を守って優位性を確保する「秘匿」上忍の条件32【忍者の技と知恵 #157】
最も優秀な忍者を忍びの上手「上忍」と呼び、忍術伝書『万川集海』によれば上忍と呼ばれる忍者は、9種類32個の条件を達成したものであるといわれます。
第32個目、最後に出てくる上忍の条件は「秘匿」です。
忍者は世間に自らが忍者であることを知られてはなりません。自分の職業が忍者であること、職務が忍務であることは極秘事項です。忍者の働きは誰にも知られずに秘密裏に仕掛けることで高い効果を得るものですが、存在がバレてしまっては妨害を受けて失敗してしまいます。
忍者は職務上全てが極秘というのは当たり前ですが、どんな仕事でも秘密にしなければならない(した方が上手くいく)ことはあります。全ての情報をオープンにするのは重要事項を奪われたり、隙をライバルに知られることになり愚策です。大事なのは、なぜ秘密にした方がいいのか?をしっかり考えて公開情報と非公開情報を分けて使うことです。
人はあれこれと知りたがるクセに、たくさんの情報を提供されると混乱して選べなくなり、選択をミスります。相手が本質的に欲していることを読み取り、そのために本当に必要な情報をこちらが取捨選択して提示するのがプロの仕事です。しかし、残念なことに選ぶ側の相手が愚者であると、プロがどれだけ能力が高い者でも失敗してしまいます。
『万川集海』に、忍者は自らの忍術を聖智なる君主のために使わなければならず、もしも仕えた主君が愚者であったなら、すぐに辞めるべきだと書かれています。なぜなら能力なき指揮官の元で働くのは、自分と自分の技術を汚し、社会と人に悪影響を及ぼし、最後には全てを滅ぼしてしまう危険性があるからです。
【忍者の技と知恵】は毎週 月・水・金曜 朝8時ごろ更新!『図解 万川集海』を元に、忍者の技と知恵をお届けします。
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