取引で自分の利益を得る。ダブルスパイの忍者に学ぶ戦略【忍者の技と知恵 #281】
取引は互いに利益を求めて行うものですが、そこには多少の損得が発生します。そこで、どのくらい相手に譲歩して、自分の目的物を得るか?という加減を考えなければなりません。
忍者は敵に捕まったとき、敵方に寝返るフリをして、敵味方を自由に行動するダブルスパイになる「弛弓の術」を使うことがあります。
敵方に寝返って、敵の信用を得られた忍者は、敵味方の国を自由に行き来することができます。敵方の作戦で味方の国に入った忍者は、将軍に敵情の報告や作戦の打ち合わせをします。そしてタイミングが訪れたら忍者は味方に戻り、敵を打ち破ります。
ダブルスパイになった忍者は、敵方の信用を得続けながら、味方の作戦成功のための準備もしなければなりません。信用を得るためには味方の情報を敵に渡したり、味方の陣に攻撃を仕掛けたりします。その裏で綿密な作戦を立てて、敵中に謀略工作を展開して味方の勝利に貢献します。
取引は互いに利益を得るために行いますが、結局のところ自分の利益が重要になります。まずは相手の気を乗せるために譲歩を行い(こちらの痛手にならないような)、利益を与え信用も得ます。これを積み上げてこちらの要求を受け入れやすい状態にして、最終的に自分の利益を得るのが忍者のテクニックです。
【忍者の技と知恵】は毎週 月・水・金曜 朝8時ごろ更新!『図解 万川集海』を元に、忍者の技と知恵をお届けします。
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