勝ち負けの二者択一に捉われない。全てを得るための忍者の戦略【忍者の技と知恵 #283】
競争社会を生き、学校では成績をつけられ評価されると、誰かが勝って誰かが負けるという二者択一が当たり前のように感じます。しかし、忍者の世界では相手に勝ちを譲っといて自分も勝つというようなことがあります。
忍者は敵に捕まったとき、敵方に寝返るフリをして、敵味方を自由に行動するダブルスパイになる「弛弓の術」を使います。
ダブルスパイも簡単なものではなく、ときに、敵は捕まえて寝返らせた忍者を味方陣の近くまで連れてきて、目の前で偽情報を話すようにと指示してきます。偽情報を味方に伝えるのは軍に大損害を与えることになり危険です。しかしそれをしなければ寝返りが嘘だとバレてしまいます。そこで忍者はあらかじめ偽情報を伝えるときの約束、例えば話をするときに咳をするなど決めておき、万が一の事態に備えます。
事態を回避する戦略を練るときに考えるのは3人の登場人物の目的です。①敵は忍者を使って偽情報を流したい、②味方は偽情報を回避して軍隊を守りたい、③忍者は敵の信用を得ながら味方を有利な状態にしたい。そして全て登場人物の目的を達成させる方法は、①敵は偽情報を流せたと思える、②味方は偽情報が伝わったのだと理解できる、③忍者は偽情報を流しながら、これが偽情報であることを伝える、になります。
普通に考えれば、それぞれの人物の目的が違うので、誰かが達成したら他の人はもう無理だと勝ち負けの二者択一で考えてしまいます。3人いれば3種類の別々の勝ちのルートがあると考えているということです。しかし、実はそうではなくて1つのルートで全ての目的を達成する(達成したように見せる)ことができることもあるのです。
固定観念にとらわれ、勝ち負けの二者択一で考えてしまうとそれ以上の考えは出なくなります。全ての目的を達成する方法が何かあるかもしれないと考え続けることが戦略になるのです。
【忍者の技と知恵】は毎週 月・水・金曜 朝8時ごろ更新!『図解 万川集海』を元に、忍者の技と知恵をお届けします。
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