多忙に潜む危険：忍者の知恵から学ぶヒューマンエラー防止【忍者の技と知恵 #387】

忙しさにかまけて余裕を失うと、目の前の仕事を終わらせること、終わらせなければならないということに意識が持っていかれ周囲の状況や些細なミスに気づけなくなります。このような人間の隙を忍者は熟知し、これを利用して敵中に潜入します。

忍者は足軽に変装して敵城に潜入するために、城門を突破するため敵の合言葉を調べる必要がありますが、撤退する敵兵に紛れてついて行き、城門に帰還兵が殺到して混乱している最中に合言葉を盗み聞きして潜入します。

門番は殺到する多数の兵士の混乱した雰囲気に呑まれ、紛れている忍者を警戒する余裕もなく決められた仕事をこなすことだけが精一杯になっているという状況です。

余裕のない状態はヒューマンエラーを引き起こす崖っぷちです。予定を変更してゆとりをもたす、不要な要素を捨てる、やり方を変えるなどして対応しなければなりません。

撤退する敵兵の後に紛れて潜入する

図解 万川集海 第四帖「陽忍編（中）」

図解 万川集海 第一帖「序・正心編」（無料版：2023再編集）

万川集海とは
『万川集海（ばんせんしゅうかい／まんせんしゅうかい）』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。