忍者のメッセージツール「五色米」の色について思ったこと

<五色米>
五色米とは、忍者が使用した暗号ツールです。5色に染めたお米を、道の端などに置いて、仲間だけに伝わるようメッセージを残す道具です。色の組み合わせや置き方で様々な事を伝えることができたそうです。

忍者が情報を伝えるのに使った五色米(米を五色に染めたもの)って、おそらく五行思想を元に五色決めてると思うんだが、本来五行は赤青白黒黄色なんだけど、朝日新聞社の出してる『乱太郎の忍者の世界』では白の代わりに紫になってて

本文中では赤青紫黒黄色とのことだが、参考写真は紫ではなく緑色の米。『軍法侍用集』には五色米の記述はあるが、何色に染めるかは出てこない。(同書中に使用例として青と黄米は出てくる)

『万川集海』に出てくる忍びイロハ(創作漢字を使った暗号文)には色青黄赤白黒紫の7字が使われるから、紫に染める可能性があることは考えられる

となると次に、なぜ紫が採用されたかが謎になるのだが。
五行の色は減法混色(三原色)であるシアン・マゼンダ・イエローにベースとなる白、全てを混ぜて生まれる黒で決まったと仮定される。五行は五つの元素を表しているのでおおよそこの推論(5元素=5原色)で合ってるだろう

米を染めるには、染料が必要で江戸時代において使われる染料は植物染料。赤(蘇芳)・黄(楊梅)・青(藍)・黒(檳榔樹)は一種類の植物で染めが可能
対して緑色は青・黄の染料を組み合わせなければ基本的に作れない。紫は紫根などの染料で作れる。

緑は作るのが大変だが、紫は比較的簡単ということで五色の内に採用されたと考えられる。けど、紫採用のコンセプト(理由づけ)がわからない。当時の人は何事にも願掛け的に理由をつけたがるので何かあるはずなんだけど…
そういえば冠位十二階(古墳時代に制定された等級制度)に紫があった。これは五行+紫の計6色が使われている。

が、Wikipediaによれば冠位十二階の6色の正確な情報はないらしく、なぜ五行+紫なのか、そもそも本当にこの6色なのか不明。なお推論では紫が最高位の色で、理由は随が五品以上の服を紫とした(道教に基づく)からとか
(なお儒教で紫は最下位の色らしい。面白い)

なお紫は古くから高級な色とされており、それは紫の染料植物の栽培が難しかったからや、西洋では紫の染料1gを作るのに巻貝1,000〜2,000個必要だったからとか、現代でも高級感を出すときに紫色を使ってデザインすることがあったりする。

結局のところなぜ五色米が紫なのかは不明なんだよなー

(上記はTwitterに投稿した文章の抜粋です。文章としてちゃんとまとめていないのであしからず笑。五色米という一つのネタでこんなに調べることができるとは、探索って面白い)

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