派生や応用で基礎力を確認する。忍者の「夜討ち」【忍者の技と知恵 #40】

忍術秘伝書『万川集海』には忍者に必要とされるスキル「忍術」が全21巻におよび記されています。膨大な内容ですがそれらは概要であり、本来は師匠について長い年月をかけた指導、修行を経て会得できるのが忍術と言われます。

『万川集海』で正心、将知、陽忍に続きやっと教えられるのが、忍び込んで情報収集や工作を行う陰忍ですが、陰忍の後半には「夜討ようち」が記されています。

「夜討ち」は夜中に敵が油断した隙をついて攻撃を仕掛ける夜襲のことで、忍び夜討ちと強盗夜討ちの2パターンがあります。忍者の主任務は情報収集なので、夜討ちのような戦闘は忍術の本筋ではなく派生技となります。夜討ちを有効的に行うには忍び込みに必要な知識、判断、技術が求められるので、忍者は夜討ちを実践することで陰忍の術の実力を確認することができます。

派生技は基礎となる本筋の上に成り立つものです。基礎を固めたから派生や応用ができ、派生を行うことで基礎力が確認でき本筋が理解できます。

【忍者の技と知恵】は毎週 月・水・金曜 朝8時ごろ更新！『図解 万川集海』を元に、忍者の技と知恵をお届けします。

図解忍術秘伝書 万川集海 第一帖: 序・正心編 （図解 万川集海）

万川集海とは
『万川集海（ばんせんしゅうかい／まんせんしゅうかい）』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。

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