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「後先」両方の視点で問題を捉える。忍者の挟み討ち戦法【義盛百首 忍歌60】

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「一人を 二人の忍び つけ行くば 敵を挟みて 後先にいよ」
忍歌 義盛百首 第六〇首

【現代語訳】一人に対して二人忍びでつける場合、敵を挟むように前後に入る。

【解説】ターゲット一人に対し、忍びが二人で追跡する場合はターゲットの前後に配置する。ターゲットが後方の忍びに気づき距離をとって逃げようとしても、前方の忍びは動きを把握し続けられる。逆に前方の忍びを警戒して道を変更した場合は、後方の忍びが追跡を続行できる。ターゲットが忍びに突然斬りかかってきても、前後にいれば片方が後ろから捕縛できる。前方の忍びはターゲットの行動を予測しながら進み、後方の忍びは追跡が気づかれないように気を配りながら動きを観察する。

【超訳】二人で仕事を行う場合、一人は「先」として未来を予測しながら行動し、もう一人は「後」として現状を正確に把握して行動する。これから何があるかを予測しての行動は、先手を取れるので上手くいけば得られるものは多いが、予測が外れると失敗する。現状を把握してからの行動は、相手の動きに応じて動くことになるので後手に回ってしまうが、堅実に対処できるので失敗しない。後先両方のメリットを活かし、デメリットを補って課題に臨めば攻めるに強く守るに堅い仕事ができる。

〈「後の目・先の目」2つの目線で捉える〉
「先」は未来(最終目的)から逆算してターゲットの動きを予測する。「後」は過去と現在に起きたことを観察してターゲットの動きを把握する。先の目によって素早く行動し、後の目によって正確に評価する。後の目によるレビューは先の目に反映され、進行方向に誤りがないように修正を行う。先の目による行動は時間を有効に使い、目的達成を迅速にこなす。後の目はこれを評価し、先の目にまた反映する。後先の目線を素早く何度も切り替えて、失敗なく確実な勝ちを目指しながら、機を捕らえたら一気に勝負をかけにも行く。


義盛百首とは…
伊勢三郎義盛に仮託し作られた忍者の心得を読んだ計百首の歌。伊勢三郎義盛は伊賀出身で、源義経の配下で忍者として活躍したとされる。義盛百首は忍歌と呼ばれることもあり、軍法侍用集や万川集海などの忍術書に登場する。


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