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現場で働く忍者の知恵!「負けない戦略力」【忍者の技と知恵#214 番外編『軍法間林清陽巻中』②】

いつもは『図解万川集海』を元に「忍者の技と知恵」について話す連載記事だが、今回は『軍法間林清陽巻中』を元に全3回で、忍術の図解を交えて話していきたいと思う。第1回、第2回はこちら↓


「火を使う・管理する」強力なアイテムを強力に使う戦略

「火師ならびに火添・火脇の事」
火師は火を扱う本人である。討道具を拵え持ち、火を拵えて、火が要るようになったら合図を出す人である。火添は、火でも何でも、合図があり次第、火師にそれを渡す人である。本人の手伝いなどをするのである。火脇は、火師や火添の加え人である。定めて三人はいるようにする。四人〜五人まではいてもよい。

『杣中木村本家文書 -尾張藩甲賀者関係資料- 軍法間林清陽巻中』
火を扱う役割「火師・火添・火脇」

この文からは火を使った戦闘に関する具体的な役割分担が知れて面白い。火は照明、合図、攻撃まで色々なことに使える重要なアイテムであり、戦いにおいては敵の屋敷や物資を焼いたり、敵を威嚇したりと戦いを優位に運ぶことができる。

忍術には火や火器・火薬を扱う火術が含まれるが、必要なときに咄嗟にこれを使うのは難しい。現代ならマッチやライターで一瞬で火おこしができるが、戦国時代はそうはいかない。火を管理し、火器を管理し、それを使いこなさなければならない。刀槍を持って敵兵と戦う武士を万全にサポートするために重要な役割分担である。

これまで単純に松明や焙烙火矢を敵陣に投げ込めばいいと思っていたものの、よくよく考えてみれば火の管理は難しく、また断続的に火器による攻撃を行わなければすぐに鎮火されて火攻めの効果が無いことに気づいた。危険の伴う戦場で火が絶えないよう管理し、敵に対応の いとまを与えないように火器攻撃をし続ける戦略が読み取れた。

火や火器がどんなに効果的なアイテムであっても、それを上手く使う・運用するためのシステムを考えておかなければ宝の持ち腐れであり、場合によっては有利だと思って油断したことで大怪我をすることにも繋がりかねない。道具はその上手な扱い方を考えることが重要なのだろう。

番外編のまとめ

『軍法間林清陽巻中』を読むことによって、江戸時代に成立した『万川集海』以前の、いわば戦国時代の忍者が実際の戦現場でどのように行動していたかがわかり、行動規範から忍者たちの思想や知識レベル、社会的位置、組織内の立ち位置が推測できると考える。

そこから、問題への向き合い方と(対処法の)考え方、極限状態での行動力、プランを実限させ目的を達する実行力のヒントが得ることができ、それは僕たちが今を生きる手がかりになると思うのだ。

↑『杣中木村本家文書 -尾張藩甲賀者関係資料- 軍法間林清陽巻中』滋賀県甲賀市


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