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現場で働く忍者の知恵!「負けない対策力」【忍者の技と知恵#213 番外編『軍法間林清陽巻中』②】

いつもは『図解万川集海』を元に「忍者の技と知恵」について話す連載記事だが、今回は『軍法間林清陽巻中』を元に全3回で、忍術の図解を交えて話していきたいと思う。第1回はこちら↓


問題に対して真摯に向き合った「番犬への対処」

「犬の吠えざる様の事」
手の内に「鬼」という字を書いて犬の方へ見せ、片方の手で九字を切る。

『杣中木村本家文書 -尾張藩甲賀者関係資料- 軍法間林清陽巻中』
犬を吠えなくする術

番犬に対する術というのは『万川集海』にも載っているが、『軍法間林清陽巻中』ではその対処法が完全に呪術レベルである。『万川集海』の「逢犬術」は犬に対してマチンの粉(毒物)を混ぜた焼飯を食べさせて犬を殺すという現実的な実行手段になっている。

江戸時代であっても、その前の戦国時代であっても、時代は違えど番犬に対して有効な対策を忍者が考えようとしている(考えなければならない)という点は共通していて、その方法が昔は呪術的であっても、当時はそれが最善策であり、頼らざる負えないことが読み取れる。

戦国時代の忍者は番犬に対して何らかの対策を練らなければならないと悩んだ結果、呪術に頼ることになった。しかし、時代を経て術の研究が進み、江戸時代には対犬用毒物を完成させて具体的な実行手段に対策を発展させた。これは、忍者が犬に対する術が呪術では効果が無いことを理解しており、何か対応できる方法は無いか?と長年試行錯誤し続けていたことを物語っていると思う。

また、効果が無いにも関わらず、戦国時代の忍者は呪術に頼らざるおえなかったのも真に迫っていて面白い。

人がまじないに頼るときというのは、目の前にある問題に対して具体的な対処法が見つからない結果、それでも何か対策をしなければならないという気持ちの表れなのだろう。忍者は火薬や薬といった当時最先端の科学技術を持ち、人の動きや地形を読む鋭い観察力を持つにも関わらず呪術も扱うのは、できる限りのことをして目の前の課題を乗り越えて行こうとする姿勢の表れだと思う。

↑『杣中木村本家文書 -尾張藩甲賀者関係資料- 軍法間林清陽巻中』滋賀県甲賀市



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